11月にイスラエル参加の可否を巡る投票を実施
ユーロビジョン2025でオーストリア代表のJJが「Wasted Love」で優勝したことを受け、来年はオーストリアの首都ウィーンで開催されます。現地時間でセミファイナルが5月12日と14日、ファイナルが5月16日に行われる予定です。
来年の開催が楽しみな一方で、過去2年間の大会では、2023年10月7日に始まったイスラエルとパレスチナ・ガザ地区を実効支配するハマスとの紛争を背景に、イスラエルのユーロビジョン参加に対する抗議活動が行われてきました。
各国代表による才能あふれるパフォーマンスは素晴らしいものでしたが、ユーロビジョンのファンとしては心から楽しめなかったのも事実です。
出場者の政治的な発言や、イスラエルをめぐる明らかな対立が画面越しに目立ち、ユーロビジョンが掲げるスローガン「United By Music」―音楽を通じて人々をつなぎ、多様性・包括性・芸術的表現を祝福するという理念―が十分に実現されていないように感じられました。
イスラエルの参加については人によって意見が分かれるところですが、本来は音楽そのもので評価されるべき大会が、近年は政治的な側面を強く反映しているように思います。これに加えて各国の採点の基準もどこかあやふやで、純粋に楽しめない要素になっているように思います。
過去2大会でのゴタゴタを受けて、ユーロビジョン・ソング・コンテストの主催者である欧州放送連合(EBU)は、今年11月の総会において、68の加盟国が投票を行い、イスラエルが来年の大会に参加できるかどうかについて投票を行うことに合意しました。
すでにアイルランド、スペイン、オランダなど複数の国が、もしイスラエルの参加が認められた場合には2026年の大会を辞退すると警告しています。
イスラエルの参加可否の決定は多数決で行われ、もし加盟国の過半数がイスラエルの参加に反対すれば、イスラエルの国営放送局であるKanは2026年大会に参加できなくなります。
また、この投票には、チュニジア、エジプト、トルコ、アルジェリア、ヨルダン、レバノンといったユーロビジョンを放送していない、あるいは参加していないEBU加盟国も投票に加わります。
ユーロビジョンに参加しているオーストラリアは準会員であるため、68の加盟国には含まれておらず、投票権はありません。さらに、ロシアとベラルーシは68の加盟国ではあるものの資格停止処分を受けているため投票権はありません。
イスラエルの参加は11月以降に明らかになります。
それまでの間、ファンの間では賛否両論が飛び交い、例年以上に注目が集まるでしょう。結果次第では、来年の大会そのもののあり方や意義が改めて問われることになるかもしれません。今後もその動向を見守っていきます。
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