必ずしもゲイの初体験が興奮するようなものではない話。

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顔を思い出せない・・・。

ゲイの初体験。

こんなことを取り上げるとちょっとエッチな話なのかと思う人もいるかもしれませんが、残念ながらご期待に添えるような話ではないかもしれません。

昔は知り合って間もないゲイの友達に「最初はいつだったの?」なんて聞いて、同じ質問をされれば私の何の面白みもない初体験の話をしてみたりと・・・。

あれは高校3年生の夏休み前。その相手とどうやって知り合って、どの駅で降りて、どんな部屋で、どんな話をしたのかも覚えているのに、顔だけはどうしても思い出せない・・・っと懲りずに話していますが。

ゲイに限らず初体験を覚えている人は多いでしょう。それが理想通りのものだった方もいれば、私のようにそうでなかった方も。そして、これから初体験を迎えようとしている方にとっては不安や期待など複雑な感情に揺れているかもしれません。

個人的には初体験は早ければ良いものではないと思いますし、心と身体の準備が整ったときが適切なタイミングなのだと思います。ただし、周りからのプレッシャーや血気盛んでムラムラが収まらない健康なゲイのボーイズたちは「今すぐにでも!」と思っているかもしれません。

今やアプリを使えばすぐにでも出会うこともできます。ただし、その出会いは必ずしも思い描いていたものではないこともあり得ます。もしプロフィール写真と実物が全く違う別人だとしたら?もし心に大きな傷を負ってしまうような出会いになってしまったら?

アプリを使うこと自体が問題なのではなく、アプリだけでは相手のことを理解することはできないということを認識しておくことが重要なのです。実際に話してみる、見てみる、会ってみることでわかることも多くあります。出会いは少し慎重に。でも怖れずに。そして、ちょっとした準備で新しい出会いを楽しむこともできます。

今回はある18歳の少年が経験した初体験についての記事をご紹介します。

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10代のゲイが経験した”なりすまし”との初体験

我々の多くは、童貞喪失の体験を忘れることはないでしょう。それは良くもあり悪くもある思い出なのかもしれない。しかし、ある10代の少年の経験は、見知らぬ人との出会いに潜む危険性を物語っている。

匿名希望でカナダ在住の10代の少年。彼は多くのコメントややり取りが行われるRedditで自身の経験を語った。

「僕はエッチがしたくて、今朝なんかは特にムラムラしていたのもあり、Grindrをダウンロードしました」と18歳の少年は語り始めた。

「僕はある男性とメッセージのやり取りを始めて、彼は写真を数枚送ってくれました。ちゃんとした感じもしたので、彼のアパートに向かいました。彼がアパートの地下駐車場の入り口を開けてくれて、僕は中に入りました。エレベータが見当たらなかったので、非常階段で上に行くことにしました。すると、その階段のドアが自動的にロックされてしまい、僕は彼が来るまでそこで待つ羽目になってしまいました」

「彼が助けに来てくれたのですが、最初、その人が彼であることに気が付きませんでした。つまり、その彼は”なりすまし”だったのです。訳あって、僕は彼の部屋に向かい(別の部屋には彼の祖母がいたため、ふたりとも静かにしてなくてはなりませんでした)、キスをし始めました」

“catfishing”という言葉は、出会い系アプリやオンラインプロファイルで自分とは異なる他人の写真を使うことである。

「僕は彼とのキスが嫌だったので、キスの間、ずっと目をつぶっていました」と彼は続けた。

「彼は僕のアレをしゃぶり、乳首をいじり始めました。とても気持ち良かったのですが、彼は僕にキスマークをつけ(その時は気がつかず)、僕のお尻と彼のアレにローションをつけ始めました。ローションをたっぷりとつけていなかったのと、彼がセックスの半ばでコンドームを外してしまったので、少し痛みもありました」

「その後、キスマークを見つけ、洗面所に向かい、体を洗い、キスマークのあたりを冷やしてみましたが駄目でした。それから彼はなぜか僕の白髪を抜き始めたので、その場を去ろうとしたのですが、彼は帰らせてくれませんでした」

「最終的には友達に電話をしてもらい、緊急事態であることを彼に告げてその場を去りました。僕は自分がしでかしたことへの後悔と恥ずかしさで友達の家までの道中は涙が止まりませんでした。女友達は化粧品でキスマークを隠してくれましたが、もっとちゃんと隠せるようにと一緒にSephoraについてきてくれました」

多くの人が医師の診察を受けて、PEP(曝露後予防)を処方してもらうようコメントした。Post Exposure Prophylaxisとはリスクの高い性行為の後(曝露後)、HIVに感染するリスクを低下させるために約1か月間、抗HIV薬の内服を行うことである。

もし実物と写真が違う場合や単に気が変わったときは、迷うことなくセックスを断わるべきであるとコメントをする人もいた。

「相手を見た瞬間、その場を去るべきだったのです」と彼は述べた。「この件について友達に話をしたら、彼らは僕を元気づけてくれました。おかげで今は前より少しは元気になりましたが、この後悔と恥ずかしさを完全に拭い去ることはできないでしょう」

彼が経験したことが他人事とは思えず、同じような体験談を話す人もいた。また、”なりすまし”に関わる理由はないという人も多かった。

「もし”なりすまし”に引っかかってしまっても、決してその人の家について行ってはいけません。彼らはあなたに身元や容姿について嘘をつきました。この他にどんな嘘をついているかもわかりません」とコメントした。「相手の身元や容姿を確認するうえでも、まずはビデオチャットをする、もしくは、個人向けの写真を最低1枚入手するまでは会ってはいけません。指を3本立たせるなどして写真を撮らせて、最近の写真を相手からもらうのもよいでしょう。もし相手がそんな写真は撮れないなどと言い始めても、写真を送ってもらうためにソーシャルメディアや別の方法を使うようなことはしてはいけません。彼らは”なりすまし”を仕掛けようとしているだけなのです」

最初から相手の家に行ったり、乗り物に乗ったりするのではなく、どこか公共の場で会ったほうが良いと指摘する人もいた。

中には率直なコメントをする人もいた。

「これはレイプです。まさにそうです」とコメントした。「性交中に同意なしでコンドームを密かに取り外すことはレイプに値します。私だったら彼を通報します。今すぐPEPの処方をしてもらうことにも賛成です」

幸いなことに、彼の経験に対してコメントを寄せた多くの人々がその少年の支えとなった。後に、彼はかかりつけの医者からPEPを処方してもらったと近況を報告した。(PEPは曝露後、72時間以内に開始する必要がある)

Queertyは彼と連絡をとり、投稿後の数週間をどう過ごしているか確認してみた。「僕は今は順調だよ」と彼は答えた。

彼はPEP療法を行っているが、今回の件(ひどい経験ではあるが)については、警察には通報しないことにしたとのこと。

「あの一件以来、もちろんGrindrはやってません。過去の体験を追い払って、頭の中では新しい繋がりを築くためにも新たな出会いを求めようとも考えましたが、まだその決断はしていません。次にセックスをするときは、相手の家に行く前に、まずはその人のことを知って、カフェやモールのような公共の場で会おうと思います」

ゲイやバイの男性にとって見知らぬ人と出会いは、恋人やセックスの相手を探すためには避けては通れないものである。しかしながら、そこにはリスクが伴い、特に経験の浅いクィアの若者にとってはなおさらである。

「若者はソーシャルメディアやアプリなど特にオンラインを介した新たな出会いの方法を探し出そうとしており、そうやって知り合った人たちと友情を築き、仲良くなり、パートナーになっているということも我々は理解しています」とPlanned Parenthood TorontoのSarah Hobbs事務局長はQueertyに答えた。

「現実での出会いや性交渉などを含めつながりの舵を上手に取っていくため、そして、それに関連してスティグマも無く、セックスに肯定的な形でのケア・情報・サポートへのアクセス方法を伝えるためにも正確な情報とツールを持ち合わせておくことが重要です」

Planned Parenthoodでは、一連の実践シート、ピア・プログラム、STI検査のようなサービスを提供している。

「性行為をするうえで境界線と同意はとても重要なことです」とHobbs氏は述べた。「相手があなたの境界線を超えてきた、もしくはあなたが性行為にプレッシャーを感じるようなことがあれば、それは良好な状態ではありません」

「あなたが誰であれ、何を着ていようが、何をしていようがそれはあなたにも起こり得ることなのです。もし相手があなたの境界線に配慮していない、あなたの同意を得ていない、またはいかなる性行為中であれ、不快な気持ちにさせられているのであれば、それはあなたのせいではありません。あなたをサポートし、その感情に向き合い、あなたに必要と思われる医療を届け、セイフティ・プランを作る手伝いをする場所もあります」

詳細については、Planned Parenthood Torontoが提供する”Dating and Hooking Up via apps“をダウンロード。

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