同性の事実婚は憲法上の婚姻に含まない
同性婚を認めない民法などの規定は憲法に違反するとして同性カップルら8人が国に損害賠償を求めた東京第2次訴訟の控訴審判決で、東京高裁は28日、現行の法制度を「合憲」とする判決を言い渡しました。
これまで同種訴訟は2019年以降、札幌、東京(1次、2次)、名古屋、大阪、福岡の5地裁に計6件起こされました。これまでの5件の高裁判決はすべて「違憲」でしたが、今回が唯一の「合憲」となりました。原告らは上告する方針で最高裁が統一判断を示す可能性があるとのことです。
東亜由美裁判長は、憲法24条1項の「婚姻」は制定時の伝統的な異性間の関係を指すと解釈し、同性カップルは含まれないと判断しました。子どもの出生や養育の実態からも、法律上の「夫婦」は男女と解釈するのが合理的とし、同性婚を認めない現状は憲法14条1項に直ちに反するとは言えず、国会では一定の立法的議論が進んでいるとして、「現時点では国会内で審議が尽くされるべきだ」としました。
国側は「まずは国会で議論すべきだ」との立場を取っていますが、最終的には「慎重に検討すべき」と述べるにとどまり、国会での議論はほとんど進んでいません。そのため司法の側から同性婚実現に向けた問題提起を現在、訴訟というかたちでおこなっているのですが、最終的な判断は国会に委ねられており、双方が責任を押し付け合っているようにも見えます。
原告側は今後上告し、最高裁の判断を仰ぐことになりますが、良識ある判断が示されることを願うばかりです。
参考記事
東京高裁「同性の事実婚は憲法上の婚姻に含まない」 同性婚認めない規定に初の「合憲」 原告「悪夢のよう」(東京新聞)


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