トレバープロジェクトの調査結果によって明らかになったLGBTQIの若者が直面するメンタルヘルスの問題

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困ったらとりあえず相談を

7月15日(水)にトレバープロジェクト(The Trevor Project)の「The Trevor Project National Survey 2020」が発表されました。

トレバープロジェクトは、世界最大のLGBTQの若者の自殺対策と危機介入に取り組むアメリカの団体です。

今回で2回目となるNational Surveyは、13~24歳のLGBTQの若者を対象に2019年12月2日から2020年3月31までオンライン調査でデータ収集が行われました。最終的に国内在住の40,001人のデータサンプル(4000人以上のヒスパニック/ラテン系、1500人以上の黒人/アフリカンアメリカ系、1500人以上のアジア系/太平洋諸島系、500人以上のアメリカ・アラスカ先住民のデータを含む)をもとに調査結果がまとめられました(34,000人を対象に行われた2019年の調査結果はこちら)。これはアメリカ全土における調査のため結果の割合に違いはあるものの、日本のLGBTQIの若者も同じようなメンタルヘルスに関する問題を抱えている若者もいると思います。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で先行きの見えない不安やストレスを感じている方も多くいるでしょう。インターネット、SNS、マッチングアプリは誰かと繋がろうと思えば繋がれるツールではありますが、相談するとなると気心知れた人ならまだしもそうでない人には抵抗がある方も。(逆に気心知れた人に相談するほうが躊躇してしまう人もいらっしゃいますが)特にメンタルヘルスに関するものなら尚更、専門家に相談したほうが良い場合もあります。

今月から「東京都性自認及び性的指向に関する専門LINE相談」も始まりました。何か困ったことがあったらまずは一人で考えてみて、それでも答えた出ないようであれば、とりあえず相談してはいかがでしょうか。ハートネット福祉情報総合サイトでは、LGBT関連を含めメンタルヘルスなどに関する相談窓口が紹介されています。ご活用ください。

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アメリカ全土のLGBTQIの若者を対象とした調査

トレバー・プロジェクトThe Trevor Project)は、1998年に設立され、LGBTQIの若者の自殺対策に重点的に取り組んでいるアメリカの組織である。誰一人としてすぐには忘れることもなければ、歴史に残るであろうこの1年間において、こういった出来事がLGBTQIの若者の精神衛生に壊滅的な影響を与えていることは意外なことではないかもしれない。

今年で2年目となるThe Trevor Report National Surveyは、LGBTQIの若者が直面する特有の問題の本質を明らかにする方法として同団体によって確立された。2020年のNational Surveyの調査結果では、過去12ヶ月の間にLGBTQIの対象者の40%が自殺を真剣に考え、トランスジェンダーとノンバイナリーの若者においては半数以上が自殺を真剣に考えたという厳しい実態を示している。

更に、トランスジェンダーとノンバイナリーの若者では4人のうち3人以上であることを含め、LGBTQIの若者の68%が過去2週間に全般性不安障害の症状があったと報告している。一方で、LGBTQIの若者の48%が過去12ヶ月の間に自傷行為を行い、そのうちトランスジェンダーとノンバイナリーの若者では60%以上となっている。

トレバー・プロジェクトの最高経営責任者であるアミット・パーレイ氏(Amit Paley)は、NBCニュースに「これは対処すべき重大な公衆衛生の危機であり、一つにはLGBTQIの若者が直面している差別によるものであると我々は認識しています」と答えた。

過去2年間の調査から明らかになったことは、LGBTQIの若者が直面する差別は深刻であり、彼らは政治的状況に大きく左右されているということである。

「我々の今年の調査では、LGBTQIの若者の86%の回答から、ここ最近の政治が彼らの健康状態に深刻な影響を及ぼしているということが明らかになりました」

オーストラリアにおけるコンバージョン・セラピー(転向療法)に対する最近の姿勢や法改正を考えると、回答者の10%が彼らの性的指向や性自認をストレートもしくはシスジェンダーに転向させるためにコンバージョン・セラピーを受けさせられたということは憂慮すべきことである。そのうち、78%が18歳以下である。

これらの数値は、ここ1年間におけるアメリカの政治制度内でのLGBTQI議員の21%増と同時に明らかとなったが、この急増はこれらの統計値を抑えことを目的とした実質的な政策変更や修正は未だもたらされてはいない。

「我々は、LGBTQIの若者を攻撃し続けている差別的政策や法律が多くあるこということは理解しております」とアミット・パーレイ氏は述べた。「それらの政策がLGBTQIの若者を傷付けていることはもちろんのこと、権力を持つ立場の人々が発言し、LGBTQIの若者を尊重するに値しないと言わんばかりの政策を生み出すことになると、言葉にも影響力が生まれるものです。彼らはそれらを耳にすると、彼らの自己意識についての捉え方に影響を及ぼしてしまうことになります」

The Trevor Report National Survey 2020の詳細はこちら

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