アイスランド国内選考会
今年5月13日(火)~17(土)にかけてスイス、バーゼルで開催されるユーロビジョン・ソング・コンテスト2025。
既に代表が決まっている国もありますが、各国の国内選考は2月から3月にかけて続々開催されます。昨年は、本選では残念な結果でしたが、ゴーテ(Gåte)が優勝した大混戦のノルウェーの「Melodi Grand Prix (MGP)2024」をご紹介しましたが、今年はアイスランドの「Melodi Grand Prix (MGP)2024」をご紹介します。
今回アイスランドを紹介しようと思ったのは、今年の出場者が期待以上に良かったということもありますが、ここ2年間連続で予選落ちしていたため、少し心配でもありました。(アイスランドの他にも、内部選考ですが、ジョージア、アゼルバイジャン、オーストラリアが気になっています)
アイスランドは、1986年以降、1998年と2002年を除いて毎年出場しており、今年で36回目の参加となります。北欧諸国の中で唯一優勝経験がなく、これまでの最高順位は1999年のセルマ・ビヨルンズドッテル(Selma Björnsdóttir)の「All Out of Luck」と、2009年のヨハンナ(Yohanna)の「Is It True?」の2位です。
昨年までの35大会で27回ファイナルに進んでおり、過去5大会では、2019年のハタリ(Hatari)が10位、2021年のDaði & Gagnamagniðが4位、個人的にお気に入りだった2022年のシスター(Systur)が23位、2023年のディリャ(Diljá)と2024年のヘラ・ビョーク(Hera Björk)は予選落ちとなっています。ただ、2年連続で予選落ちしていますが、ディリャやヘラ・ビョークの歌唱力や楽曲自体は良かったと思います。敗因は、あまりにも王道のポップソングすぎてあまり捻りがなかったため、ユーロビジョンでは他の楽曲に埋もれてしまったからかもしれません。
Söngvakeppnin 2025 の出場者
昨年までは、セミファイナル1と2から各2組、RÚVがワイルドカードとしてセミファイナル出場者から1組が選出し、合計5組でファイナルが行われました。さらに、ファイナルと同日にファイナル上位2組でスーパーファイナルが行われ最終的な代表が選出されていました。今年については、スーパーファイナルは無く、セミファイナル1と2から各3組がファイナルに進み、ファイナルの6組から代表が選ばれることになります。
開催日時:セミファイナル1 2025年2月 8日(土)20:45 CET
セミファイナル2 2025年2月15日(土)20:45 CET
ファイナル 2025年2月22日(土)20:45 CET
※日本時間は翌日朝4:45を予定
こちらがSöngvakeppnin 2025に出場する10組のアーティストの一覧です。
No | Semi-Final | Artist | Song |
---|---|---|---|
1 | SF1 | Ágúst | Eins og Þú Like You |
2 | SF1 | Væb | RÓA |
3 | SF2 | Tinna | Þrá Words |
4 | SF1 | Stebbi Jak | Frelsið Mitt Set Me Free |
5 | SF2 | Júlí & Dísa | Eldur Fire |
6 | SF2 | Dagur Sig | Flugdrekar Carousel |
7 | SF2 | Bára Katrín | Rísum upp Rise above |
8 | SF2 | Bjarni Arason | Aðeins lengur |
9 | SF1 | Birgo | Ég flýg í storminn Stormchaser |
10 | SF1 | Bia | Norðurljós Northern lights |
10組のアーティストから特に注目の4組
今回は、10組の出場者の中からお気に入りの4組をご紹介します。
BIRGO – Ég flýg í storminn(Stormchaser)
本命の一組目はSF1に出場する現在、21歳のビルゴ(Birgo)です。
「Ég flýg í storminn」は、恐怖や不安を克服することを歌った曲で、たとえ周りのすべてが崩れ落ちているように感じても、自分を信じて必死に戦わなければならないという思いが込められています。
10組の曲をすべて聴いた後、一番良かったのはBirgoで、楽曲も歌唱力も素晴らしいです。ただ、最終的にはセミファイナルでのライブパフォーマンス次第かと思います。また、今回、この曲を最終的に何語で歌うのかも気になるところです。個人的にはアイスランド語で歌った方が良いと思います。英語版も悪くはないですが、ポップソング感が強くなり、過去2年間の予選落ちが頭をよぎってしまいます。
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Væb – Róa
大本命のもう一組がSF1に出場するヴァイブ(Væb)です。
Væbは、マッティアス・ダヴィーズ・マッティアソン(Matthías Davíð Matthíasson)とハルフダン・ヘルギ・マッティアソン(Hálfdán Helgi Matthíasson)の兄弟デュオです。今回、2年連続の出場となるVæbですが、昨年は「Bíómynd」で出場し、ファイナルまで進み、最終順位は4位でした。
北欧サウンドも上手に取り入れている楽曲自体は悪くないというか、昨年の「Bíómynd」よりも全体的に良いですが、ステージパフォーマンスと合わせて、これをしっかりと歌えるかどうかが鍵になります。また、ユーロビジョンで上位を狙うなら、BirgoよりもVæbの方が可能性が高いように思います。
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Júlí & Dísa – Eldur(Fire)
3組目はSF2に出場で、夫婦デュオのユリ & ディサ(Júlí & Dísa)です。
2人とも33歳で本名は、ユリ・ヘイダル・ハルドールソン(Júlí Heiðar Halldórsson)とソルディス・ビョーク・ソルフィンズドッティル(Þórdís Björk Þorfinnsdóttir)です。
ユリは、今回2回目のユーロビジョン挑戦で、2017年にソルディス・ビルナ・ボルガースドッティル(Þórdís Birna Borgarsdóttir)とのデュオで「Heim til þín」で出場しましたが、残念ながら予選で敗退してしまいました。また、Söngvakeppninに出場するアーティストに対して作詞・作曲にも携わっており、今年の大会にも出場しているDagur Sigの2018年大会での「Í stormi」にも関わっています。
ユリ & ディサの「Eldur」は、BirgoとVæbに比べると少しだけインパクトが弱くなってしますが、こちらもライブパフォーマンス次第になるかと思います。
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Tinna – Þrá
4組目はSF2に出場で、現在、30歳で2児のお母さんでもあるティンナ(Tinna)です。
カントリーポップ風のサウンドを持つ「Þrá」は、ある種のラブストーリーを描いています。自分の価値を見つめるための内面的な葛藤や、関係で相手が優位に立ったときに身を引くことをテーマに歌っています。
Tinnaもライブパフォーマンス次第ではありますが、他の出場者同様、アイスランド語で歌うことで神秘性が増し、断然魅力的に感じられます。
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