セミファイナル1の通過者を予想
2025年5月13日(火)(日本時間は翌日14日 早朝4時スタート)にセミファイナル1 、5月15日(木)にセミファイナル2、5月17日(土)にファイナルがスイス、バーゼルで開催されるユーロビジョン・ソング・コンテスト2025。
今年も最終的に37ヶ国が参加し、5月13日(火)のセミファイナル1では、15ヶ国のうち10ヶ国の代表がファイナルに進出、15日(木)のセミファイナル2では、16ヶ国のうち10ヶ国の代表がファイナルに進出、17日(土)のファイナルでは、昨年の優勝国のスイスとBig Fiveのフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリスと各セミファイナルから10ヶ国の計26ヶ国の代表が優勝を目指して競い合います。
バーゼル大会もセミファイナルでは、ファイナルから出場することに影響はないですが、ホスト国とBig Fiveの6ヶ国もそれぞれパフォーマンスを行うことになっています。セミファイナル1では、イタリアがエストニアの後、スペインがベルギーの後、スイスがクロアチアの後にパフォーマンスを行います。
セミファイナル1では、過去のスイス代表のPaola(1969&1980)、Peter Reber(Peter, Sue and Marcとして1971、1976、1979、1981)、Luca Hänni(2019)、Gjon’s Tears(2020&2021)がパフォーマンスを行います。
今年はセミファイナル1・2ともに、正直なところ、あまり抜きん出た国が少ないように感じます。良く言えば、どの国にも優勝の可能性がありますが、例年以上に混戦も予想されます。
それでは、13日(火)のセミファイナル1に出場する15ヶ国の中から、ファイナルに進出しそうな(進出してほしい)10ヶ国を予想してご紹介します。
セミファイナル1は、15ヶ国から10ヶ国がファイナルへ
順番 | 出場国 | アーティスト | 曲 |
---|---|---|---|
1 | Iceland アイスランド | VÆB | RÓA(Live)(MV) |
2 | Poland ポーランド | Justyna Steczkowska | GAJA (Live) |
3 | Slovenia スロベニア | Klemen | How Much Time Do We Have Left(Live)(MV) |
4 | Estonia エストニア | Tommy Cash | Espresso Macchiato(Live)(MV) |
4と5の間 | Italy イタリア | Lucio Corsi | Volevo essere un duro(Live)(Live) |
5 | Ukraine ウクライナ | Ziferblat | Bird of Pray(Live) |
6 | Sweden スウェーデン | KAJ | Bara bada bastu(Live) |
7 | Portugal ポルトガル | Napa | Deslocado(Live) |
8 | Norway ノルウェー | Kyle Alessandro | Lighter(Live)(MV) |
9 | Belgium ベルギー | Red Sebastian | Strobe lights(Live)(MV) |
9と10の間 | Spain スペイン | Melody | Esa diva(Live)(MV) |
10 | Azerbaijan アゼルバイジャン | Mamagama | Run With Me(MV) |
11 | San Marino サンマリノ | Gabry Ponte | Tutta l'Italia(Live)(MV) |
12 | Albania アルバニア | Shkodra Elektronike | Zjerm(Live)(MV) |
13 | Netherlands オランダ | Claude | C'est La Vie(MV) |
14 | Croatia クロアチア | Marko Bošnjak | Poison Cake(Live)(MV) |
14と15の間 | Switzerland スイス | Zoë Më | Voyage(MV) |
15 | Cyprus キプロス | Theo Evan | Shh(MV) |
カイ(KAJ) – Bara Bada Bastu | Sweden
Nåjaa.
SF1の一押しはやはり、Melodifestivalen 2025で優勝したスウェーデン代表のカイ(KAJ)です。
KAJは、Kevin Holmström、Axel Åhman、Jakob Norrgårdのフィンランド・オストロボスニア地方のヴォラ出身の音楽&コメディグループです。グループ名は3人の名前の頭文字をとってKAJとなっています。
Melodifestivalen 2025は、個人的には今年の国内選考会で一番レベルが高かったと思っていますが、KAJは、ユーロビジョン2015大会優勝者のモンス・セルメルロー(Måns Zelmerlöw)や2019年大会で5位のヨン・ルンドヴィク(John Lundvik)、その他、才能溢れるアーティストの中で代表の座を勝ち取りました。
KAJについては好みが大きく分かれるかもしれませんが、優勝直後には視聴者票(Tele Voting)で多くの票が期待できると言われていました。しかし、これまでのプレパーティーで他のアーティストと比べても圧倒的な盛り上がりを見せていることから、Jury票でも高く評価されるのではないかと思います。
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クロード(Claude) – C’est la vie | Netherlands
2番目は、内部選考で選ばれたオランダ代表のクロード(Claude)です。
Claudeは、コンゴ生まれのオランダ人シンガーソングライターです。オーディション番組への出場をきっかけに、デビューシングル「Ladada」がオランダのチャートで1位を獲得しました。2024年には、1stアルバム『Parler français』をリリースし、チャートで6位にランクインするなど、今まさに勢いに乗っているアーティストです。
「C’est La Vie」はキャッチーなダンスポップソングで、Claudeは踊れるシンガーだけに、ライブパフォーマンスにも大いに期待できます。ただ、少し正当すぎる印象もあるので、もう少し面白みや意外性が欲しいところです。バーゼルの舞台では、これまでに見たことのない一面を見せてくれることを期待しています。
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シュコドラ・エレクトロニケ(Shkodra Elektronike) – Zjerm | Albania
3番目は、Festivali i Këngës 63で優勝したアルバニアのシュコドラ・エレクトロニケ(Shkodra Elektronike)です。
Shkodra Elektronikeは、ソングライター、プロデューサー、ミュージシャンでちょいワル・イケオジ風のKolë Lacaと、シンガーソングライターでゴージャスなBeatriçe Gjergjiのフォークトロニカ・デュオです。
最初に「Zjerm」を聴いたときは、それほど印象に残らなかったのですが、聴くたびにどんどん良くなってきています。プレパーティーにも積極的に参加しており、歌唱力も安定していますが、何といってもあのダンスが魅力的です。こちらはLady Gagaの「Abracadabra」に合わせて踊っているBeatriçe Gjergjiです。
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テオ・エヴァン(Theo Evan) – Shh | Cyprus
4番目は、内部選考で選ばれたキプロス代表のテオ・エヴァン(Theo Evan)です。
内部選考で選ばれたアーティストの中でも、個人的にTheo Evanへの期待は高く、「Shh」は緩急のある展開と、オリジナリティあふれるユニークな楽曲だと思います。
これまでのプレパーティーでは「Shh」のアカペラは披露されていますが、実際のステージパフォーマンスはまだ未知数です。その点にやや不安はありますが、本番のパフォーマンスに期待したいところです。
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ジファーブラット(Ziferblat) – Bird of Pray | Ukraine
5番目は、Vidbir 2025で優勝したウクライナ代表のジファーブラット(Ziferblat)です。
今年のエントリーで数少ないバンドのZiferblatですが、雰囲気もいい意味で独特な感じですし、プレパーティーでの観客の反応は思ったより悪くなかったように思います。
PrePartyES25では、ヴォーカルのDaniil Leshchynskyiが純白の衣装に身を包み、金髪になって登場し、Vidbir 2025のときとはまた違った印象を与えていました。個人的にはこっちの方が良いと思います。昨年のウクライナのステージ演出は特に素晴らしかったので、今年は「Bird of Pray」とマッチしたどんなステージ演出が見られるか楽しみです。
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トミー・キャッシュ(Tommy Cash) – Espresso Macchiato | Estonia
6番目以降は大きな差はないと思っていますが、6番目は、Eesti Laul 2025で優勝したエストニア代表のトミー・キャッシュ(Tommy Cash)です。
エストニア出身のラッパー、シンガー、ビジュアルアーティストであるTommy Cashは、さまざまなアーティストとコラボレーションを行い、国内外で高い知名度を誇るアーティストです。
Tommy Cashについても、スウェーデンのKAJ同様に好みが大きく分かれるかもしれません。個人的にはアーティストとしては魅力を感じていますが、楽曲「Espresso Macchiato」に関しては、コンセプトは面白いものの、曲としては物足りない印象を受けますし、歌唱力についてはかなりの不安が残ります。ただ、ステージ演出はビジュアルアーティストとして期待を上回るものかと思いますので、楽しみにしましょう。
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ユスティナ・ステチュコフスカ(Justyna Steczkowska) – Gaja | Poland
7番目は、Wielki Finał Polskich Kwalifikacji 2025で優勝したポーランド代表のユスティナ・ステチュコフスカ(Justyna Steczkowska)です。
「GAJA」のライブパフォーマンスは、歌って、踊って、バイオリンも弾いて、さらには宙に浮くというという盛沢山の演出ですが、プレパーティーでも観客は大盛り上がりでした。
何度聞いても印象に残るのは「アーーーー」だけで、息を吸わずに歌えることに関心はしますが、個人的には曲が少しイマイチな感じもします。とは言え、バーゼルでは更に進化したしたパフォーマンスが見せてくれることでしょう。
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カイル・アレサンドロ(Kyle Alessandro) – Lighter | Norway
8番目は、MGP 2025(Melodi Grand Prix 2025)で優勝したノルウェー代表のカイル・アレサンドロ(Kyle Alessandro)です。
現在18歳のKyleは、MGP2023にボーイズグループUmami Tsunamiの一員として出場し、ファイナルまで進んだものの最下位に終わりました。そして、今回はソロアーティストとして出場し、代表の座を獲得しました。
「Lighter」はキャッチーなダンスポップサウンドで、Kyleのボーカルも申し分ないですし、個人的は好きなジャンルの曲です。ただ、「Lighter」は、ユーロビジョンの典型的なパターンの「キャッチーなサビ & ダンスブレイク & スロー & ハイノート」なので、曲としては親しみやすいですが、インパクトが少し足らない印象を受けます。ただ、伸びしろはかなりありますので、バーゼルの舞台では彼の若さあふれるパフォーマンスに期待しましょう。
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レッド・セバスチャン(Red Sebastian) – Strobe Lights | Belgium
9番目は、Eurosong 2025で優勝したベルギー代表のレッド・セバスチャン(Red Sebastian)です。
最初に「Strobe Lights」を聴いたときは本選でも上位に食い込めるようなインパクトのあるクラブサウンドの曲だと思いましたし、これをしっかり歌い上げるレッド・セバスチャンの歌唱力も素晴らしいと思いました。
一方で、物足りを少し感じていて、この感覚は、昨年のリトアニア代表のシルベスター・ベルトの「Luktelk」と似ていて、クラブサウンドのパートは盛り上がるけれども、肝心なサビに勢いが乗らないというところです。
ただ、楽曲・歌唱力・サウンドの面を見れば演出を間違えなければ、十分にファイナル進出が狙えると思いますので、バーゼルでのステージ演出に期待しましょう。
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ママガマ(Mamagama) – Run with U | Azerbaijan
最後は、内部選考で選ばれたアゼルバイジャン代表のママガマ(Mamagama)です。
ママガマ(Mamagama)は、2021年に結成されたバンドで、ボーカルのアサフ(Asaf)、ギターのハス(Huss)、ドラムのアリフ(Arif)の3人組です。
個人的に推しているのですが、アサフの特徴的なボーカルは魅力的ですし、楽曲「Run With You」も、ここ最近のアゼルバイジャンにはなかったようなポップなテイストで好印象です。ただ、アムステルダムで行われたEurovision In Concert 2025でのライブパフォーマンスを見る限りでは、やや硬さが見られ、観客との距離感も若干感じられました。
アゼルバイジャンは、視聴者票(Tele Voting)が弱い傾向にあるので、もっとプレパーティーに積極的に参加して、ユーロビジョンファンの感覚や雰囲気に慣れていけば、ステージ上での表現力や親しみやすさも高まってきたのではないかと思います。その点が不安ですが、今年こそファイナルに進出してもらいたいです。
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