ユーロビジョン 2026：スペイン、オランダ、アイルランド、スロベニアが不参加を表明

ユーロビジョン・ソング・コンテスト

picture from Eurovision Song Contest - Vienna 2026

2025.12.07

イスラエルはユーロビジョン2026に参加

ユーロビジョン2026にイスラエルが参加することが公式に決定しました。

先月、欧州放送連合（EBU）は、ここ数年のさまざまな問題への対策として、2026年大会における投票方式と公平性に関する変更点（政府機関によるアーティストの過度な宣伝を禁止、一般投票数を制限、準決勝で審査員投票の復活）を発表しました。

EBUは12月4日（木）に総会を開き、提案したルール変更によって加盟局の懸念が十分に解消されるか、あるいはコンテストへの参加問題について別途採決が必要かを問いかけました。

総会の投票では、EBUが提案したルール変更を受け入れることとイスラエルの参加についての個別投票を行わないという案への賛成は738票。一方、反対票は264票、棄権は120票で、合計 1122票が投じられたとのことです。それを受けてイスラエルの参加が認められることとなりました。

この投票結果を受けて、スペイン、オランダ、アイルランド、スロベニアがユーロビジョン2026への不参加を表明しました。

なお、スロベニアのRTV SLOによると、イスラエルの参加の是非を問う秘密投票を求めたのは、スペイン、モンテネグロ、オランダ、トルコ、アルジェリア、スロベニア、アイスランドの放送局だったとのことです。

以下は各放送局からのステートメントの抜粋です。

スペイン（RTVE）
RTVEは、ユーロビジョン・ソング・コンテストの理念と核心的価値を守るためにEBUおよびリファレンスグループが講じた措置を認め、評価します。しかし、私たちはこれらの措置では不十分だと考えています。

イスラエルの放送局KANの2026年ユーロビジョンへの参加について、私たちが抱く深刻な疑念を表明せざるを得ない状況です。停戦と和平プロセスが進んでいるにもかかわらず、ガザの状況は依然として深刻であり、またイスラエルがユーロビジョンを政治的目的のために利用していることが、ユーロビジョンを中立的な文化イベントとして維持することをますます困難にしています。

私たちは二重基準を受け入れるべきではありません。中立性と透明性は、視聴者と市民を尊重した真実性のある結果を保証するための共通の目標です。

EBUとユーロビジョンの指導部の対応は、この組織の歴史の中で最大級の内部的緊張を引き起こしています。私たちは、この状況が本来起こるべきではなかったと強く信じています。

RTVEは、この複雑な状況への敬意と深い懸念からこの立場を維持しており、EBUの中で団結し、前に進んでいけることを願っています。

オランダ（AVROTROS）
この決断は簡単なものではなく、軽々しく下したものでもありません。ユーロビジョン・ソング・コンテストは、私たちにとって非常に重要な存在です。文化は人々を結びつけますが、どんな代償を払ってもよいというわけではありません。この1年に起きた出来事は、私たちが守ることのできる限界を試すものでした。人道や報道の自由といった普遍的な価値が深刻に損なわれており、私たちにとってこれらの価値は決して譲れないものです。公共放送として、たとえ困難であっても、たとえ繊細な問題であっても、私たちは自らの核心的な価値に忠実であり続ける責任があります。

アイルランド（RTÉ）
ガザでの悲惨な犠牲者の増加と、そこで続いている深刻な人道危機により、多くの市民の命が危険にさらされている状況を踏まえると、アイルランドが参加を続けることは到底容認できないとRTÉは考えています。またRTÉは、紛争中にガザで記者が標的にされて殺害されていること、そして国際ジャーナリストが同地域への立ち入りを引き続き拒否されていることに深い懸念を抱いています。

スロベニア（RTV SLO）
3年連続で、国民は“他国を攻撃している国の参加にはNOと言うべきだ”と求めています。私たちは、平和と理解というヨーロッパの基準に従わなければなりません。ユーロビジョンは当初から喜びと幸せの場であり、出演者と観客は音楽で一つになってきました。そして、その姿は今も変わるべきではありません。

私たちのメッセージはこうです。イスラエルが参加するのであれば、私たちはESCには参加しません。ガザで亡くなった2万人の子どもたちのために。