ルクセンブルク・ギリシャ・スペイン・ベルギー・スロベニアの代表が決定
今年5月13日(火)~17(土)にかけてスイス、バーゼルで開催されるユーロビジョン・ソング・コンテスト2025。
1月末から3月にかけて、ユーロビジョン2025の代表を選ぶ国内選考会が各国で開催されています。今回は、新たにスイス・バーゼルへの切符を手にしたルクセンブルク、ギリシャ、スペイン、ベルギー、スロベニアの代表をご紹介します。
Laura Thorn – La Poupée Monte Le Son | Luxembourg
1月25日(土)に開催されたルクセンブルクのLuxembourg Song Contest 2025には、7組のアーティストが出場し、Jury票が94点、Public票が90点の合計184点でローラ・ソーン(Laura Thorn)が優勝しました。
ローラ・ソーンは、ベルギーのナミュール高等音楽院、楽典、音楽教育学、ポップス歌唱の修士号を取得し、エッシュ=シュル=アルゼット音楽院で教師をしています。
結果は想定内といったところで、とても可愛らしいパフォーマンスでした。緊張のせいかまだ硬さがあり、ジュニア・ユーロビジョンを見ているような印象も受けましたが、曲自体は耳に残るメロディーですし、ステージパフォーマンスや演出次第では、昨年同様ファイナルまで進める可能性は十分にあると思います。
ルクセンブルクは、セミファイナル2に出場します。
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Klavdia – Asteromáta | Greece
1月30日(木)に開催されたギリシャのEthnikós Telikós 2025には、12組のアーティストが出場し、Public票が24点、ギリシャのJury票が12点、海外のJury票が5点の合計44点でクラヴディア(Klavdia)が優勝しました。
2位のエヴァンゲリア(Evangelia)とは僅か2点差でしたが、サッカーワールドカップのテーマソングのような「Vále」も良い曲でした。
クラヴディアは、2018年に「The Voice of Greece」第5シーズンに出場し、ファイナルラウンド1まで進みましたが、残念ながら4位となりました。 また、2023年のユーロビジョンのギリシャ代表にも応募しましたが、内部選考の結果、ヴィクター・ヴェルニコス(Victor Vernicos)が選ばれました。
彼女の歌唱力は申し分なく、「Asteromáta」は、ノスタルジックな雰囲気の中で愛する人への思い、別れ、そして再会への願いを綴ったバラードとなっています。
ギリシャは、セミファイナル2に出場します。
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Red Sebastian – Strobe Lights
2月1日(土)に開催されたベルギーのEurosong 2025には8組のアーティストが出場し、Jury票が132点、Public票が驚異の291点、合計423点で2位と約300点近く差をつけてレッド・セバスチャン(Red Sebastian)が優勝しました。
2位のリーズ(LEEZ)の「Perfectly imperfect」は、若干、2024大会、デンマーク代表のサバ(SABA)の「SAND」っぽいところもありますが、良い曲でした。
レッド・セバスチャン(本名:セッペ・ヘルレマン(Seppe Herreman))はベルギー出身のシンガーソングライターで、子供の頃から音楽や舞踏を学び、2013年には13歳で「ベルギー・ゴット・タレント」の決勝に進出しました。彼は、ヘント音楽院で5年間、ボーカルパフォーマンスプログラムを学び、2023年ベルギー代表のグスタフ(Gustaph)から歌のレッスンを受けています。ヘント音楽院で学んだ後、2019年から「レッド・セバスチャン」として歌手活動を開始し、2021年にでニューアルバム『You』をリリースし、2024年にはテレビ番組「Sing Again」に出演し、決勝に進出しています。
クラブサウンドの「Strobe Lights」は、現時点では最もインパクトのあるパンチの効いた曲です。しかも、これをしっかり歌い上げるレッド・セバスチャンの歌唱力は素晴らしいです。ステージ演出は複雑にする必要はありませんが、もう一つサプライズが加わると、さらに面白くなりそうな予感がします。
ベルギーはセミファイナル1に出場です。
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Melody – Esa Diva | Spain
スペインのBenidorm Fest 2025には16組のアーティストが出場し、1月28日(火)と30日(木)のセミファイナルに出場した8組から各4組が2月1日(土)開催のファイナルに進み、メロディ(Melody)がJury票で70点、Public票で80点の合計150点で優勝しました。
個人的に推していたのはジェイ・ケイベロ(J Kbello)は3位でしたが、彼の「V.I.P.」のステージパフォーマンスと演出は素晴らしかったです。
メロディは、10歳のときに「El baile del gorila」の大ヒットでブレイクしました。家族の影響で幼い頃から音楽に親しみ、ソニー・ミュージック・スペインからデビューし、これまでに6枚のアルバムを発表しています。今回は2回目のユーロビジョン挑戦であり、初回の2009年は惜しくも準優勝となり、スペイン代表の座を逃しました。しかし、今回はついに念願のスペイン代表に選ばれました。
メロディの「Esa Diva」でのパワフルなパフォーマンスは圧巻です。ただ、若干詰め込みすぎ感と古き良き時代のユーロビジョン感も出てしまっているので、もう少しコンパクトにまとめた方が良いかもしれません。ただ、3分間ノンストップで歌い、踊り、宙返りをし、髪の毛もグルグル回す全速力のパフォーマンスは、他国の代表にもぜひ見習ってほしいメロディのプロフェッショナルさが光ります。
スペインはファイナルからの出場となります。
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Klemen – How Much Time Do We Have Left | Slovenia
2月1日(土)に開催されたスロベニアのEMA 2025には12組のアーティストが出場しました。Jury票のみの第1ラウンドで2組が選ばれ、その後、Public票のみのスーパーファイナルが行われ、クレメン(Klemen)が8,895票を獲得して優勝しました。
クレメンは、スロベニアの有名な俳優、コメディアン、ミュージシャンで、2007年に風刺ラジオ番組を通じてキャリアをスタートしました。彼は、スロベニアのユーロビジョン代表を決める国内選考「EMA」の司会を2011年、2012年、2016年、2020年の計4回務めています。また、インスタにも上がっていますが、ユーロビジョンに出場したアーティストの楽曲のパロディやコメディスキットを数多く制作しています。
「How Much Time Do We Have Left」は、タイトル通り「どれくらい一緒にいられるのだろう」の想いが込められた歌で、クレメンの奥さんが癌の宣告を受けた時の苦しみ、愛情、葛藤などを歌ったバラードです。最初に聴いたときは歌詞も「宙吊り」の意味も理解できていなかったのですが、「宙吊り」は、奥さんの癌の宣告は衝撃的で信じがたいもので、彼の中の世界がひっくり返ったような現実が一変してしまったような感覚を表現したとのことです。ちゃんと見えないですが、彼が着ている洋服には奥さんの顔写真がプリントされているようです。
この曲は、ちゃんと理解すればその良さがより伝わると思うので、個人的には「宙吊り」はせずに、クレメンも振り付けなどをせず、シンプルに歌い上げる方が良いと感じました。そして、背景に奥さんとの思い出の映像などを流し、曲の意味を視覚的に感じ取れるようなのほうが良い気がしますし、ステージ演出次第では本選で大きく化ける可能性もあります。
スロベニアはセミファイナル1に出場します。
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