ユーロビジョン2025
5月17日(土)(日本時間 18日(日)早朝4時~)にスイス、バーゼルでユーロビジョン・ソング・コンテスト2025のグランド・ファイナルが行われました。
ユーロビジョン2025の優勝者はオーストリア代表のジェイジェイ(JJ)でした!
まずは、オープニングアクトのNemoによる「The Code」とフラッグ・パレードからご覧ください。
インターバル・アクトでは、過去にスイス代表として出場した4組のアーティスト、Peter, Sue and Marc(1981年「Io senza te」)、Paola(1980年「Cinéma」)、Luca Hänni(2019年「She Got Me」)、Gjon’s Tears(2021年「Tout l’univers」)が、それぞれの出場曲を披露しました。Luca Hänniは相変わらず格好良かったです。
また、2023年フィンランド代表Käärijäと2024年クロアチア代表Baby Lasagnaの銃優勝者コンビは、対決方式でそれぞれの曲と、コラボ・シングル「Eurodab」を披露しました。
Nemoは、自己の感情や思考の複雑さを探求し、葛藤や自己理解の難しさを歌った新曲「Unexplainable」を披露しました。ウィッグと衣装は衝撃的ですが、Nemoの歌唱力は圧巻です。
優勝はクィア・アーティストのオーストリア代表、JJ
優勝したのは、オーストリアに3度目の優勝をもたらしたオーストリア代表のジェイジェイ(JJ)、2位はイスラエル代表のユヴァル・ラファエル(Yuval Raphael)、3位はエストニア代表のトミー・キャッシュ(Tommy Cash)、4位はスウェーデン代表のカイ(KAJ)、5位は、イタリア代表のルキウス・コルシ(Lucio Corsi)という結果となりました。
毎年のことですが、優勝は予想通りとはならず、個人的にはKAJの優勝を期待していました。Jury票は想定内の点数でしたが、視聴者票はもう少し伸びても良かったのではと思っています。それでも、最終順位は大健闘の4位となりました。一方、JJは、Jury票は8ヶ国から12点を獲得し258点、視聴者票は、イスラエル、エストニア、スウェーデンに続いて4番目に多い178点が加算され、合計436点で見事、優勝を飾りました。
その他では、アルバニアのシュコドラ・エレクトロニケ(Shkodra Elektronike)が最終順位8位と大健闘でした。結果は、Jury票が45点、視聴者票が173点の合計218点でした。Jury票が思ったほど伸びなかったのは残念ですが、視聴者には彼らの魅力がしっかりと伝わり、その結果として高得点につながったのだと思います。
推しのデンマーク代表、Sissalは23位という結果でしたが、今年のユーロビジョンを楽しめたのは、彼女のおかげだと思います。今だからこそ求められる彼女のようなパワフルなボーカルとエレクトロダンスサウンドの組み合わせが最高でした。
それでは1位から10位のパフォーマンスをご覧ください。その他のアーティストのパフォーマンスは表の中の曲名をクリックしてください。
順番 | 国 | ポイント(Jury/Tel) | アーティスト | 曲 |
---|---|---|---|---|
1 | Austria オーストリア | 436 (258/178) | JJ | Wasted Love |
2 | Israel イスラエル | 357 (60/297) | Yuval Raphael | New Day Will Rise |
3 | Estonia エストニア | 356 (98/258) | Tommy Cash | Espresso Macchiato |
4 | Sweden スウェーデン | 321 (126/195) | KAJ | Bara bada bastu |
5 | Italy イタリア | 256 (159/97) | Lucio Corsi | Volevo essere un duro |
6 | Greece ギリシャ | 231 (105/126) | Klavdia | Asteromáta |
7 | France フランス | 230 (180/50) | Louane | maman |
8 | Albania アルバニア | 218 (45/173) | Shkodra Elektronike | Zjerm |
9 | Ukraine ウクライナ | 218 (60/158) | Ziferblat | Bird of Pray |
10 | Switzerland スイス | 214 (214/0) | Zoë Më | Voyage |
11 | Finland フィンランド | 196 (88/108) | Erika Vikman | Ich Komme |
12 | Netherlands オランダ | 175 (133/42) | Claude | C'est La Vie |
13 | Latvia ラトビア | 158 (116/42) | Tautumeitas | Bur man laimi |
14 | Poland ポーランド | 156 (17/139) | Justyna Steczkowska | GAJA |
15 | Germany ドイツ | 151 (77/74) | Abor & Tynna | Baller |
16 | Lithuania リトアニア | 96 (34/62) | Katarsis | Tavo akys |
18 | Norway ノルウェー | 91 (83/8) | Kyle Alessandro | Lighter |
18 | Malta マルタ | 89 (22/67) | Miriana Conte | SERVING |
19 | UK イギリス | 88 (88/0) | Remember Monday | What The Hell Just Happened? |
20 | Armenia アルメニア | 72 (42/30) | PARG | SURVIVOR |
21 | Portugal ポルトガル | 50 (37/13) | Napa | Deslocado |
22 | Luxembourg ルクセンブルク | 47 (23/24) | Laura Thorn | La poupée monte le son |
23 | Denmark デンマーク | 47 (45/2) | Sissal | Hallucination |
24 | Spain スペイン | 37 (27/10) | Melody | Esa diva |
25 | Iceland アイスランド | 33 (0/33) | VÆB | RÓA |
26 | San Marino サンマリノ | 27 (9/18) | Gabry Ponte | Tutta l'Italia |
1. JJ – Wasted Love | Austria
2. Yuval Raphael – New Day Will Rise | Israel
3. Tommy Cash – Espresso Macchiato | Estonia
4. KAJ – Bara Bada Bastu | Sweden
5. Lucio Corsi – Volevo Essere Un Duro | Italy
6. Klavdia – Asteromáta | Greece
7. Louane – maman | France
8. Shkodra Elektronike – Zjerm | Albania
9. Ziferblat – Bird of Pray | Ukraine
Më – Voyage | Switzerland
ユーロビジョン2026に向けて
来年、ユーロビジョン2026年は、オーストリアで開催されます。
昨年、そして今年のユーロビジョンは楽しみにしていた一方で、素直に楽しめない部分もありました。
今年の大会は、昨年に比べて表立った混乱は少なかったように思いますが、イスラエルのパフォーマンス時には、昨年同様に会場内でブーイングが起こり、その様子がSNSにも投稿されていました。
投票に関しては、視聴者票がウクライナにはそれほど集まらなかった一方で、イスラエルは最多得点を獲得しています。視聴者票は、自分の好きなパフォーマンスに投票するシステムであるため、人気が集中することもあります。また、Jury票は共通の評価項目があるとはいえ、審査員の主観が反映される部分もあるため、どの点を重視するかには国ごとの傾向や違いが見られます。
ユーロビジョンが政治情勢の影響を受けやすいのは今に始まったことではありませんが、だからこそ、特にこのような時期には、公平性を担保できる投票システムがより重要だと感じます。しかし、昨年と今年に関しては、その公平性を疑問視するような状況にあったようにも思います。
また、SNSが当たり前になった現在では、会場の様子が投稿されることで、現地に行けない人にとってはありがたい情報源になっています。一方で、すべての出場国のリハーサル映像が、部分的どころか最初から最後までSNSに投稿されてしまい、当日の楽しみが半減してしまったりもしています。
ややモヤモヤの残る昨年、今年の2大会でしたが、投票システムの見直しやSNSでの投稿のあり方について、もう少し検討が進められることを願っています。
それでも、ユーロビジョンは多様な文化や音楽に触れられる貴重な場であり、毎年この時期を楽しみにしている人が多いのも事実です。
来年の大会では、誰もが純粋に音楽を楽しめるような環境が整い、アーティストたちの表現がより公平に評価される場になることを心から願っています。
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