初体験をする前に、そしてそれ以降も
初体験のことを思い出してみてください。
これから経験しようとしている人もいれば、詳細に答えらえる人もいるでしょうし、私のように思い出したくないような悪い経験ではなかったけれど、いつどこでまでは思い出せても相手の顔がうまく思い出せないといった断片的な記憶しかない人もいるかもしれません。
大人になった現在、その当時を振り返ってみると、HIV(AIDS)やコンドームが必要くらいのことは知っていましたが、その他の性感染症についてほとんど知らないまま経験したのだと気が付きました。というか、学校の授業でそこまで詳しく教えてもらった記憶がありません(もしかしたらちゃんと授業をうけてなかったからかもしれませんが)
私の例は時代的なこともあるかもしれませんが、現在の学校での性教育は必ずしも教師が行うものではなく、外部講師などを招いてもっと踏み込んで話をしているところもあるようです。また、そういった機会がなかったとしても、今やネットで検索すれば、既にご存じかもしれませんが「HIVマップ」さんのようにゲイ・バイセクシャルの男性に特化したサイトもあります。
これから初体験を経験しようとしている人にとっては「いつ?」「誰と?」「何を?」といったように期待と不安でいっぱいかもしれません。ただし、そういった行為をする前に必ずセーファーセックスや性感染症の情報などは頭に入れておくべきことだと思います。これは自分を守るためでもあり、相手を守るためでもあります。また、初体験以降もこれらはより良い性生活を楽しむためには重要なことです。そして、もちろん初体験を済ませたベテランの方々もご自身の情報を随時アップデートをしていきましょう。
ゲイの若者はストレートの若者に比べると初体験が早い
Journal of Sex Researchにて発表されたラトガーズ大学の調査では、最初に性行動を起こす年齢という点において、ゲイとストレートの若者の間における違いを明らかにした。
男性と性交渉の経験がある600名の若者の男性のサンプルをもとに研究者らは、最初に同性同士で性的関係をもった年齢は平均して14.5歳であり、これはストレートの10代が一般的に性的に活発になる前にあたるということを発見した。クィアの男性らの最初に挿入を伴う性交渉の平均年齢は16歳となっており、ストレートに比べると1年早い年齢となっている。
研究者らは「同性同士で性的関係をもった平均年齢は14~15歳であり、調査対象者の中で平均して初期段階での行為は相互マスターベーションであり、続いておおよそ15歳のときの行為ではオーラルセックスをした/してもらったことということがわかりました」と述べた。
「特に、同性同士で最初にアナルセックスを経験した年齢はおおよそ16歳となっており、これはアメリカのヘテロの男性が最初に膣性交を経験する平均年齢の17歳より早いということを我々は明らかにしました」
クィアの黒人やヒスパニックの男性においては、初体験の年齢がさらに早い傾向にある。
”自分でも同意の上であると認識している行為”のみを対象としているこの調査では、男性と性交渉の経験がある若者のおよそ19%が13歳より以前に初体験を経験しており、これは国による推計範囲の上限の2倍に値するということを明らかにした。
この調査は若者らが自身の性の健康や行為についてインフォームド・チョイスを行うことができるような総合的かつ包括的な性教育の必要性を強調していると研究者らは述べている。
ラトガーズ大学で公衆衛生を専攻している博士課程の学生であるCaleb LoSchiavoは、「多くの学校がソーシャルディスタンスやリモート学習といった新型コロナウイルス感染症に対応できる教室やカリキュラムの見直しを強いられているが、この機会はすべてのジェンダーや性的指向の人々にとって適切な性の健康教育を提供するための包括的な性教育のプログラムを実施することを検討するにはちょうどよい時期なのかもしれない」と述べた。
また、この調査では、あらゆる年齢のゲイの若者を相手に働いている事業者は、特に有色人種の若者においては過去に示された年齢より早い段階でHIVやその他のSTIの定期検査を開始することを検討すべきであると結論付けている。
ラトガーズ大学の公衆衛生の部学長であるPerry N Halkitisは、「我々の調査結果によると、ヘルスケア提供者は、これまで医療専門家ではLGBTQ+のニーズに対応するには不十分であった初期段階における同性同士による性行為に関連する性行動や健康行動を落ち着かせるのに積極的な役割を果たすことができることがわかっている」と述べた。
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