世界で注目される韓国映画が描くゲイドラマ
2020年のアカデミー賞で6部門にノミネートされ、作品賞を含む4部門を受賞した『パラサイト 半地下の家族』。
現在、日本でも上映中で、2021年のアカデミー賞に作品賞を含む6部門にノミネートされている韓国系移民の家族を描いた『ミナリ』。
このように韓国系映画がここ近年世界でも注目されておりますが、実際作品を見てみるとストーリーも面白いですし、とてもきめ細やかに作られているという作品だと思います。
今回ご紹介するのは、韓国国内の映画祭はもちろんのこと、海外のLGBT関連の映画祭でも上映されて高い評価を得ている『A Distant Place(정말 먼 곳)』です。
この作品のタイトルを日本語にすると「離れた場所」になりますが、離れたところからでは気が付かないことも、その距離が近くになればなるほどその全貌が明らかになっていくといった意味が込められているようです。
これは恋人、家族、友人など人との関係性にも言えることで、ある一定の距離を保っていれば知らないこともあるだろうし、見なくて済んでいることもあります。その関係性が近くなり、親密になるにつれて、これまで見えなかったことや見たくなかったところを見ざるを得なくなります。しかし、必ずしもそれは悪いことではなく、その関係性が自身にとって必要であり、重要なものであると思えるのであれば、その状況に向き合うことで新たな関係性が生まれ、更に強い結びつきを築くことにもつながります。
日本未公開なので予告しか見ていませんが、『A Distant Place(정말 먼 곳)』は単なるゲイ映画ではなく、そんな人との繋がりやかかわり方について改めて考えさせてくれるような映画になっていると思います。そして、日本でも上映されることを期待しましょう!
ストーリー
韓国の江原道、華川郡の人里離れた羊牧場に住むJin Woo。
Jin Wooは、姪のSeolをわが子のように育て、牧場のオーナーのJoong ManとJin Wooに想いを寄せる娘のMoon Kyeongは彼らを家族同然に迎え入れていた。ある日、Jin Wooの大学時代の友達のHyun Minが牧場を訪れると、オーナーらは2人が長年付き合っている恋人同士であることを知る。
彼らはこの穏やかな場所でSeolと一緒に暮らすことを夢みていたが、Jin Wooの双子の姉でSeolの実の母親のEun Youngが現れたことで、これまでの均衡が崩れ始める・・・。
映画概要
タイトル:A Distant Place(정말 먼 곳)
監督:Park Kun Young
出演:Kang Gil Woo、Hong Kyung、Kim Si Ha、Lee Sang Hee、Ki Joo Bong、Ki Do Young
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