『ブロークバック・マウンテン』への回答
カンヌ映画祭でワールド・プレミア上映され、話題となったイーサン・ホークとペドロ・パスカルの短編映画『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ(Strange Way of Life)』が第36回東京国際映画祭で上映されます。
本作は、若き日に雇われガンマンとして働いていた保安官のジェイクと牧場主のシルバが25年ぶりの再会を祝っていたかと思っていたら、翌日、思わぬ展開が待っているといったストーリーになっています。
監督を務めたのは、『オール・アバウト・マイ・マザー』や『トーク・トゥ・ハー』などでアカデミー賞の受賞歴もあるオープンリーゲイのスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル(Pedro Almodóvar)監督です。
本作は、アルモドバル監督による『ブロークバック・マウンテン』への回答とも言われています。『ブロークバック・マウンテン』は、ヒース・レジャーとジェイク・ジレンホール主演、2006年のアカデミー賞で作品賞を含む8部門にノミネートされ、監督賞を含む3部門を受賞した2人のカーボーイの普遍的なラブストーリーを描いた作品です。
アルモドバル監督は、アン・リー監督が最優秀監督賞を受賞する前、同プロジェクトについての打診があったそうです。その事について、「アン・リー監督は素晴らしい映画を作ったと思うが、ハリウッドが私が望むものを作るために完全な自由と独立を与えてくれるとは信じていなかった。やりたいことは何でもできると言われたが、そこに限界があることは十分わかっていました」と述べていました。
また、アルモドバル監督は、インタビューの中で、『ブロークバック・マウンテン』のヒース・レジャー演じるエニスとジェイク・ジレンホール演じるジャックの禁断の恋は動物的なものであり、感情ではなく肉体的な関係だったと答えています。
「映画のクライマックスは、彼らが離れ離れにならなければならない瞬間であり、ヒース・レジャーが離れることを考えることができないことに気づく瞬間です。それは強力な発見です。しかし、それまでの間は動物のようであり、私にとって映画にそれらを取り入れることが不可能でした。なぜなら、それはハリウッド映画であり、常に二人が交わる姿を映画に取り入れるわけにはいかなかったからです」
今回、ハリウッド映画ではないゲイの西部劇『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』ではアルモドバル監督は、どのような『ブロークバック・マウンテン』に対する回答を描いているのかとても楽しみなところです。
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ジェイク役にいくつになってもイケメンの名優イーサン・ホーク(Ethan Hawke)、シルバ役にゲイ界隈で大注目のイケオジのチリ出身の俳優ペドロ・パスカル(Pedro Pascal)が演じています。また、若かりし頃のジェイク役をジェイソン・フェルナンデス(Jason Fernández)、若かりし頃のシルバ役をホセ・コンデッサ(José Condessa)が演じています。
ペドロ・パスカルはゲイではないですが、女優でペドロの妹のラックス・パスカル(Lux Pascal)がトランスジェンダーであることもありLGBTQ+の強力な支援者でもあります。
第36回東京国際映画祭でアジア初上映
『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』は、『異人たち』同様に今月の23日(月)から10日間にわたって開催される第36回東京国際映画祭(Tokyo International Film Festival 2023)でアジア初上映されます。
期間:2023年10月23日(月)〜11月1日(水)
公式サイト:https://2023.tiff-jp.net/ja/
『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』は、以下の日程で上映されます。
①10月25日(水)16時15分~(@丸の内TOEI)
②10月29日(日)16時35分~(@丸の内TOEI)
チケットは、10月14日(土)13時から公式サイトにて販売開始となります。
是非、この機会をお見逃しなく!
若かりし頃、雇われガンマンとして一緒に働いていたジェイクとシルバ。現在、保安官のジェイクと牧場主のシルバは25年ぶりの再会を果たす。シルバとジェイクは再会を祝うが、翌朝、保安官ジェイクはシルバに対して彼の旅の目的には裏があるのではないかと告げる…
映画概要
タイトル:ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ(Strange Way of Life)|2023/スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:イーサン・ホーク、ペドロ・パスカル、ジェイソン・フェルナンデス、ホセ・コンデッサ
公式サイト:https://www.sonyclassics.com/film/strangewayoflife/
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