セミファイナル2の通過者を予想
先日、セミファイナル1の通過予想をしてみましたが、2024年5月9日(木)(日本時間は翌日10日早朝4時スタート)にセミファイナル2が行われます。
5月9日(木)のセミファイナル2には、16ヶ国のうち10ヶ国の代表がファイナルに進出します。セミファイナル2では、フランスのスリマン(Slimane)がチェコの後、スペインのネブロッサ(Nebulossa)がラトビアの後、イタリアのアンジェリーナ・マンゴ(Angelina Mango)がエストニアの後にパフォーマンスを行います。
また、昨年に引き続き、日本のユーロビジョンファンも投票に参加することができ、参加国以外は各セミファイナル・ファイナルの24時間前から投票ができ、参加国については、各セミファイナル・ファイナルの最後のパフォーマンスの後から投票ができますので、是非、推しのアーティストを見つけて投票してみてください。
それでは、セミファイナル1同様に混戦が見込まれる9日(木)のセミファイナル2に出場する16ヶ国からファイナル出場するかもしれない(出場してもらいたい)10ヶ国の予想をご紹介します。
セミファイナル2は、16ヶ国から10ヶ国がファイナルへ
順番 | ポイント | Country | Artist | Song |
---|---|---|---|---|
1 | 13 | Malta マルタ | Sarah Bonnici | Loop (MV) |
2 | 14 | Albania アルバニア | Besa | TiTAN (Zemrën N’dorë) |
3 | 86 | Greece ギリシャ | Marina Satti | ZARI |
4 | 132 | Switzerland スイス | Nemo | The Code |
5 | 38 | Czechia チェコ | Aiko | Pedestal (MV) |
5と6の間 | - | France フランス | Slimane | Mon Amour |
6 | 46 | Austria オーストリア | Kaleen | We Will Rave |
7 | 36 | Denmark デンマーク | SABA | SAND |
8 | 137 | Armenia アルメニア | Ladaniva | Jako |
9 | 72 | Latvia ラトビア | Dons | Hollow (MV) |
9と10の間 | - | Spain スペイン | Nebulossa | Zorra (MV) |
10 | 16 | San Marino サンマリノ | Megara | 11:11 (MV) |
11 | 54 | Georgia ジョージア | Nutsa Buzaladze | Firefighter |
12 | 18 | Belgium ベルギー | Mustii | Before the Party’s Over |
13 | 79 | Estonia エストニア | 5miinust & Puuluup | (nendest) narkootikumidest ei tea me (küll) midagi (MV) |
13と14の間 | - | Italy イタリア | Angelina Mango | La noia (MV) |
14 | 194 | Israel イスラエル | Eden Golan | Hurricane |
15 | 43 | Norway ノルウェー | Gåte | Ulveham |
16 | 182 | Netherlands オランダ | Joost Klein | Europapa |
ネモ(Nemo)- The Code|Switzerland
スイス代表は、内部選考で選ばれたラッパー、歌手、ミュージシャンのネモ(Nemo)です。
2015年にリリースしたEP『Clownfisch』がスイスチャートで95位となり、2017年のシングル「Du」は4位を記録しています、2023年には雑誌で自身がノンバイナリーであることをカミングアウトしています。
自己発見と成長の旅を歌った「The Code」には、ラップやオペラのパートも含まれている独創性豊かな曲です。ネモはその圧倒的な歌唱力で曲を歌い上げています。MVの中でも様々な衣装で視覚的にも楽しませてくれていますが、マルメの舞台ではパフォーマンスはもちろん、衣装にも注目してみてください!
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ヨースト・クライン(Joost Klein)‐ Europapa|Netherlands
オランダ代表は、内部選考で選ばれたラッパー、歌手、ミュージシャンのヨースト・クライン(Joost Klein)です。
「Europapa」はヨーロッパの多様性と一体感を表現した曲ですが、ヨーストは幼い頃に両親を亡くしたこともありこの曲には家族や父親への想いも込められています。
ラップあり、テクノサウンドありの2 アンリミテッドを思わせるような90年代のクラブサウンドの「Europapa」は、MVが公開されるやいなや再生回数は一気に伸び、現在は37ヶ国の中で一番の2,000万回超えを記録しています。
これまでのプレパーティーでのパフォーマンスの映像を見る限り会場はお祭り騒ぎです。一方で「これは歌なのか?それともサウンドなのか?」といった疑問は残ります。とは言え、セミファイナル2は間違いなく通過すると思いますし、マルメの会場は大盛り上がりになるでしょう。
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エデン・ゴラン(Eden Golan)- Hurricane|Israel
イスラエルは、国内選考会をテレビ番組「Rising Star」で行い、優勝したエデン・ゴラン(Eden Golan)が代表に選ばれました。
イスラエル生まれのエデンは、6歳の時に父親の仕事の関係でロシアのモスコへ移住し、12年間過ごし、ロシアのウクライナ侵攻が始まった2022年に家族と共にイスラエルに戻りました。ロシア滞在中、2015年にジュニア・ユーロビジョン・ソング・コンテストのロシア代表の選考会、2018年にThe Voice Kidsにも出場しています。
昨年10月に始まったイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の影響を受けて、イスラエルの今年のユーロビジョンへの参加について論争が起こりました。2022年からロシアはウクライナ侵攻によって出場資格を失いましたが、今回のイスラエルの出場に関して欧州放送連合(EBU)はウクライナとガザ地区では状況が異なるとしてイスラエルの出場を認めました。ただし、出場にあたってEBUはイスラエルが提出した「October Rain」について政治的な内容が込められているとして承認せず、変更を要求し、最終的に「Hurricane」がエントリー曲となりました。
個人的には今年のバラード曲の中では「Hurricane」が一番良いような気がしますし、エデンの歌唱力も素晴らしいです。セミファイナルは、Televotingのみでファイナルへの出場が決まりますが、イスラエルのユーロビジョンに反対する視聴者はイスラエルへの反対票を投じることができわけではないですし、エデンのパフォーマンスが良ければ視聴者はイスラエルに投票するでしょう。また、動画のコメント欄を見る限りエデンを応援している人も多いので、ファイナルに進める可能性も高いのではないかと思います。
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ゴーテ(Gåte) – Ulveham|Norway
ノルウェー代表は、大混戦のMGP2024(Melodi Grand Prix 2024)で優勝したゴーテ(Gåte)です。
MGP2024には、ユーロビジョンでお馴染みのカイノ(KEiiNO)が2度目のユーロビジョン出場をかけてチャレンジしましたが、僅か6点差でゴーテが優勝しました。この他にも今年のMGPには、誰が優勝してもおかしくない素晴らしいアーティストが出場していました。
ゴーテは、古代北欧楽器を取り入れ伝統的なノルウェーの音楽要素と現代のロック要素を組み合わせた独自の音楽スタイルのフォークロックバンドです。MGP2024でのステージパフォーマンスは、音楽に調和した幻想的な雰囲気を演出していましたが、若干ステージ自体が暗い印象がありましたが、マルメでは、リハーサルを見る限る改善されているように思えます。ヴォーカルのグンヒルト・スンドリの歌唱力は圧巻ですし、セミファイナル2は通過できるではないかと思います。
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ラダニヴァ(Ladaniva)‐ Jako|Armenia
アルメニア代表は、内部選考会で選出されたラダニヴァ(Ladaniva)です。
ラダニヴァは、アルメニア人の歌手、ジャクリン・バグダサリアン(Jaklin Baghdasaryan)とフランス人のマルチプレイヤーのルイ・トマ(Louis Thomas)によるワールドミュージックのデュオです。ジャクリンはアルメニアで生まれ、ベラルーシのミンクスで育ち、2014年にフランスに母親と共に移住しました。ルイは、フランスのリールで生まれ育ち、2人は2018年にリールで出い、翌年の2019年にラダニヴァを結成しました。
アルメニアは、2022年の「Snap」で世界的成功を収めたロザ・リン(Rosa Linn)、2023年のブルネッテ(Brunette)といったダークホース級の才能溢れるアーティストをユーロビジョンに送り込んで来ておりますが、今年は彼女らとは全く異なるテイストのラダニヴァを代表に選出しています。
民族音楽テイストの「Jako」は聴いていると一緒に踊りたくなるような楽しい曲です。また、これまで多くのライブパフォーマンスを経験していたからかもしれませんが、観客の楽しませ方を知っているような印象も受けます。マルメの舞台でも間違いなく見ていて元気になるような楽しいパフォーマンスをしてくれることでしょう。
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マリーナ・サッティ(Marina Satti) ‐ ZARI|Greece
ギリシャ代表は、内部選考で選ばれたマリーナ・サッティ(Marina Satti)です。
マリーナは、ギリシャのアテネで生まれたシンガーソングライター、歌手、音楽プロデューサーです。彼女はは小さい頃からクラシック音楽を学び、2010年にはアメリカのバークリー音楽大学でジャズの作曲を含め音楽について勉強をした経験もあります。
2016年に1stシングル「Koupes (Cups)」をリリースし、Youtubeの再生回数は現時点で2,800万回を超えています。2022年には1stアルバム「YENNA(BIRTH)」をリリースし商業的に大きな成功を収めています。
「Zari」はギリシャの民族音楽を残しつつポップなサウンドに仕上がっています。個人的にはあまりピンと来てないのですが、ユーロビジョンファンの間ではお気に入りの一曲となっています。昨年、ギリシャはセミファイナル敗退となっていますが、マリーナの人気と「ZARI」ならファイナルもかなり期待できるのではいでしょうか。
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ムスティ(Mustii) – Before the Party’s Over|Belgium
ベルギー代表は、内部選考で選ばれたムスティ(Mustii)です。
ユーロビジョン2023では、ゲイであることを公表しているグスタフ(Gustaph)が懐かしいディスコサウンド「Because of You」で大健闘の最終順位7位となりましたが、これに続けと37ヶ国の中で最初に代表の発表があった歌手兼俳優のムスティはバラード「Before the Party’s Over」でマルメ大会に挑みます。
ムスティは音楽活動を本格化させる前は舞台、テレビ、映画など俳優として活動しており、2014年に1stシングル「The Golden Age」をリリースしました。これまで『21st Century Boy』と『It’s Happening Now.』の2枚のアルバムもリリースしており、ベルギーチャートでは、5位と4位を記録しています。また、現在は、ベルギー版「RuPaul’s Drag Race」の「Drag Race Belgique」のジャッジも務めています。
プレパーティーでのパフォーマンスも安定していますし、マルメの舞台でもMVの世界観の演出も期待できそうなので、セミファイナル2は突破できるのではないでしょうか。
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ヌツァ・ブザラゼ(Nutsa Buzaladze) – Firefighter|Georgia
ジョージア代表は、内部選考で選ばれたヌツァ・ブザラゼ(Nutsa Buzaladze)です。
ヌツァ・ブザラゼは、ジョージアの首都、トビリシに生まれ、現在はアメリカ、ロスアンゼルス在住です。母親はピアニスト、父親は作曲家で歌手という音楽一家に生まれ、17歳の時に「X Factor Georgia 2015」に出場し優勝しました。
その後も国内外のオーディション番組に出場し、2017年にはユーロビジョンのジョージア代表の国内選考会に「White Horses Run」で出場しましたが、惜しくも2位となりました。さらに、昨年のAmerican Idolに出場し、Top 12まで残りました。
「Firefighter」は、困難な状況に直面しても愛や希望を失わず、力強く立ち上がる姿を表現した曲です。ヌツァの歌唱力もダンスも素晴らしいですし、申し分ないのですが、曲自体は最初から最後までただ大音量で音楽を流しているようなフラットな状態でインパクトに欠ける印象を受けます。
ジョージアは2016年を最後にファイナルに進出できていません。昨年はイル(Iru)が「Echo」で出場しましたが、残念ながらセミファイナル敗退でした。彼女の歌唱力は全く問題なかったのですが、ステージ演出が少し単調(これまでのジョージアに比べたら頑張った方だと思いますが)だったのかとも思いました。是非、今年はヌツァに頑張ってもらいたいです。
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カリーン(Kaleen)- We Will Rave|Austria
オーストリア代表は、内部選考で選ばれたカリーン(Kaleen)です。
カリーンは、プロのダンサーであり歌手でもあります。幼少期からバレエを習っており数々の賞も受賞しています。歌手としては2021年に自身のレコード会社であるWifi Recordsを設立し、2023年にアルバム『Stripping Feelings』をリリースしています。
2018年以降、カリーンは様々なかたちでユーロビジョンとジュニア・ユーロビジョンに携わっており、2018年のユーロビジョンはリハーサルの歌手の代理やインターバル・アクトのダンサーや振付師、2021年のジュニア・ユーロビジョンではスペインとブルガリアのクリエティブ・ディレクター、2022年のユーロビジョンではスペインのステージ・ディレクター、2023年のユーロビジョンではオーストリア、アルメニア、ドイツ、ジョージアのステージパフォーマンスの演出補助を務めていたとのことです。
テクノサウンドの「We Will Rave」はMVもかなりセクシーに仕上がっていますし、タイトル通り観客を一気に盛り上げる曲になっています。ただ、これまでのプレ・パーティーのパフォーマンスを見る限りでは、バッキング・ボーカルが強めでボーカルは不安定、更に歌よりダンスがメインになっているような気もします。どこまでマルメの舞台で修正されるかが課題ですが、会場がクラブ状態になるのは間違いなしです。
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ヴィースミーヌスト&プールールプ(5miinust and Puuluup)‐(Nendest) narkootikumidest ei tea me (küll) midagi|Estonia
エストニア代表は、国内選考会のEesti Laul 2024で優勝したヴィースミーヌスト&プールールプ(5miinust and Puuluup) です。
5miinustはエストニアのヒップホップグループで2015年に結成されました。現在は、Estoni Kohver、Päevakoer、Põhja-Korea、Lancelotの4人組で活動しています。一方、Puuluupは、Ramo TederとMarko Veissonによるニューフォークのデュオで、エストニアの伝統楽器のタルハルパを演奏しています。
「(nendest) narkootikumidest ei tea me (küll) midagi」は、ふざけた曲ではなく「ドラッグなんて使わないで楽しく生きよう!」といったポップでメッセージ性のある曲ですが、それがどこまで視聴者に伝わるのかといったところがキーになるのかと思います。
個人的には好きなサウンドですが、パフォーマンスを見ていると少しごちゃごちゃしている感じもするので、ファイナル進出はマルメの舞台での演出次第かと思います。
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