セックスの話題と恋愛の価値観
これまで最長で何年間付き合ったことがありますか?
ゲイの飲みの場で初対面の人がいると、「彼氏いるの?」と聞かれることがあります。また、自分に長く付き合っている人がいることを知っている友人から、「長く付き合ってる彼氏がいるんです」と紹介されることもあります。
お酒が入ればそういった話になるのも自然な流れかと思います。ただ、「彼氏がいます」だけでは話が終わらず、「何年付き合っているの?」「どんな彼氏さんなの?」と質問が続き、さらには「まだセックスしてるの?」といったことまで聞かれることもあります。 もしかしたら、「ゲイが長く付き合っていても、セックスはするものなのか?」という単純な疑問から聞いているのかもしれません。あるいは、少しひねくれた見方をすれば、「ほとんどない」という答えを期待して、「セックスしてないんだ」とマウントを取りたいのかもしれません。
個人的には、性の話はプライベートな話題であり、誰構わず話すものではないと思っています。また、ゲイ・ストレートを問わず、カップルにとってセックスは重要な要素の一つかもしれませんが、親密さを築く方法は必ずしもセックスだけではありません。もちろん、そんなことを初対面の人に説教じみて説き伏せるつもりはありませんし、適当に答えて流すようにしています。ただ、このやり取りが面倒だと感じるのも事実です。
恋愛やパートナーシップの形は人それぞれであり、どの関係が正しいというものではありません。自分にとって大切な価値観があるように、他の人にもそれぞれの価値観があることを尊重することが大切かと思います。
今回は、モノガミー(一夫一夫制)の男性がうんざりしているある質問に関する記事をご紹介します。
モノガミーのゲイカップルがうんざりする質問
LGBTQ+の人々は、ストレートの人々に比べるとノン・モノガミー(非一夫一婦(夫)制)の関係を持つ傾向がはるかに高いことは、よく知られている。この傾向は、クィアの人々が自分なりの方法で愛を探求する自由を感じていることを示しているが、一方で、モノガミー(一夫一婦(夫)制)を望むコミュニティの一部の人々にとっては、疎外感を感じることにもなり得る。
あるいは、単純に「ダサい」と感じるだけかもしれない。
オレゴン州ポートランドに住むゲイの男性は、最近「Oregon Live」に寄せた手紙の中で、自身が感じる苛立ちを伝えた。その中で彼は、ゲイの仲間と過ごしていると、決まってある「恐怖の質問」を投げかけられると嘆いている。
「aRe YoU oPeN?(君たち、オープンなの?)」
「私とパートナーは30代のゲイです。真剣なモノガミーの関係を築いています。でも、私たちだけがそんな関係を持っているように感じるんです」と彼は述べている。「クィアの人たちが集まる場所で『恋人がいる』と話すと、決まって『オープンなの?』と聞かれます」
彼自身はオープンリレーションシップの人たちを支持しているが、こうした詮索にはうんざりしているようだ。
「正直、もう耐えられない」と彼は付け加えている。
彼の苛立ちは理解できるものである。毎回「ノー」と答えなければならないのは、確かにかなり面倒だろう。しかし、ここで覚えておくべきことは、実際にはゲイの大多数がモノガミーを実践しているということだ。オープンリレーションシップが注目されがちだとしても、それがすべてではない。
例えば、よく引用される調査によれば、ゲイの約32%がオープンリレーションシップにあると回答したのに対し、ストレートのカップルではわずか2%にとどまっている。この差は確かに大きいが、それでも32%はあくまで「少数派」だ。つまり、ゲイの約3分の2はモノガミーを実践している。
……少なくとも、そう「言っている」限りは。
ここで浮かび上がるのが、オープンリレーションシップに関する統計についてもう一つの問題――文化的受容の影響である。調査によると、ゲイやバイセクシュアルの人々の75%が「大人同士のオープンな結婚は適切」と考えているのに対し、ストレートの人々ではその割合がわずか29%だった。
これが何を意味するかというと……ストレートの人々の中には、正直に答えていない人もいる、ということだ。彼らの「傷ついたパートナー」に聞いてみれば、実態がわかるかもしれない。
親密さのニュアンスについて考えるとき、私たちはしばしば「認識」が現実とは異なることを覚えておかなくてはならない。昨年、私たちは「長期的な関係においてセックスは最も重要なのか?」という議論を取り上げた。その中では、多くのゲイのカップルが「別の形で親密さを築いている」と語っていた。
社会は「セックス、セックス、セックス」と騒ぎ立てるが、実際には……調査によれば、大人の約50%が「月に1回以下」しかセックスをせず、そのうち半数は「1年以上セックスをしていない」と認めている。
さて、話を戻そう。このモノガミーを貫く男性は、そもそも「自分の性生活について話すつもりはない」と言う。
「僕は、ポリアモリーやオープンリレーションシップにある人々に何の問題も感じません。でも、それを常に話題にしたり、自分のプライベートを公にしたりするのは下品だと思うんです」
「それに、まるでモノガミーをやめるように圧力をかけられているように感じるのは最悪です」
彼がこう感じる背景には、彼の住む場所も関係しているのかもしれない。ポートランドは、全米でも特にポリアモリー文化が根付いている都市のひとつであり、ポリアモリーに友好的な法律も整備されている。
統計と認識のズレについて再び考えてみると……ポートランドのゲイコミュニティでは、ノン・モノガミーの関係を持つ人の割合が全国平均よりも高い可能性もある。
しかし、それは他人に「オープンリレーションシップにするべきだ」と押し付ける理由にはならない。つい最近も、ストレートの女性と結婚したゲイの男性についての記事を書いたばかりだが、彼らは幸せである。
「愛は愛」、それを忘れずに。二人の間にある愛でも、三人で共有する愛でも、あるいはグラインダーで次々とパートナーを探す愛であっても――それぞれの愛の形があるのです。
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