モノガミーと非モノガミー、どちらが幸せ?
現在、あなたにはパートナーがいますか?
もしパートナーがいる場合、その関係はモノガミー(一夫一妻(夫)制)でしょうか? それとも非モノガミー(複数の関係を持つことを認め合う形)でしょうか?
特にゲイの方々の関係性は、必ずしもモノガミーに限らないことも少なくありません。
もちろん、モノガミーを自然なあり方だと感じている人にとっては、非モノガミーの関係性を理解するのは簡単ではないかもしれません。ですが、それは逆もまた然りです。
では、モノガミーの関係のほうが恋愛面や性生活における満足度が高いのでしょうか。
実は、必ずしもそうとは限らないようです。
ただ、どちらが正しいというわけではなく、どちらの関係であっても、自分とパートナーの間で共通の認識を持ち、それを土台に関係が成り立っていることが大切です。
今回は、モノガミーと非モノガミーの関係における幸福度に関する記事をご紹介します。
非モノガミーの関係もモノガミーの関係と同じくらい幸せであることが研究で判明
『The Journal of Sex Research』に掲載された新たな研究によると、モノガミー(一夫一婦(夫)制)の関係と非モノガミー(非一夫一婦(夫)制)の関係における満足度には大きな差がないことが明らかなった。
『モノガミー優越神話への反証(Countering the Monogamy-Superiority Myth)』というタイトルのこの研究は2024年3月24日に発表され、モノガミーかどうかにかかわらず、「恋愛関係における満足度」と「性的満足度」の違いに焦点を当てている。
アメリカとヨーロッパにおける35件の研究を分析したところ、合計24,489人がモノガミー・非モノガミーのいずれの関係においても、恋愛面および性生活における満足度はほぼ同等であると報告していた。
研究の筆頭著者であるジョエル・アンダーソン准教授は、『インディペンデント』紙に次のように語っている。「モノガミーの関係は、しばしば非モノガミーの関係よりも満足度、親密さ、献身、情熱、信頼が高いと見なされがちです。この広く信じられている考え――私たちが『モノガミー優越神話』と呼ぶもの――は、ステレオタイプやメディアの描写によってさらに強化されています」
「私たちの研究結果は、学術界の外でも根強く信じられてきたこの前提に異議を唱えるものであり、合意の上での非モノガミーの関係にある人々が、モノガミーの関係にある人々と同様に、恋愛や性生活において満足しているという証拠をさらに示すものです」
モノガミーとは、両者が性的・恋愛的・感情的に互いだけに関係を持つ「伝統的な」形の関係を指す。一方で非モノガミーの関係には、特定の相手とだけ恋愛関係を持つが性的には他者との関係を許容する「オープン・リレーションシップ」や、複数のパートナーと恋愛的・性的な関係を持つ「ポリアモリー関係」などがある。
ゲイ男性の間では、異性愛者やレズビアンの人々よりもオープン・リレーションシップを実践している割合が高く、2021年のある研究では、ゲイ男性の内、30%が合意の上での非モノガミーな関係にあることが示された。
アンダーソン准教授はさらに次のように述べている。「恋愛的および性的満足度は、私たちの全体的な幸福感に大きく寄与します。今回の結果は、非モノガミーの関係について広く存在する誤解に疑問を投げかけるものです。満足度が同等であることが示されたにもかかわらず、非モノガミーの関係にある人々は、依然として偏見や差別、適切な医療や法的承認へのアクセスの障壁に直面しています」
また、同じ満足度の傾向は、オープン・リレーションシップであれポリアモリー関係であれ、すべての種類の非モノガミーな関係において見られるとも述べた。
関連記事:Non-monogamous relationships ‘just as happy’ as monogamous ones, study finds
コメント