繊細な愛の物語
ポール・メスカル＆ジョシュ・オコナー共演のゲイロマンス映画『THE HISTORY OF SOUND』の予告編が公開されました。
本作は、2025年5月21日に第78回カンヌ国際映画祭にてプレミア上映され、パルム・ドール賞とクィア・パルム賞ににノミネートされました。
『THE HISTORY OF SOUND』は、1917年にボストン音楽院で出会ったライオネルとデイヴィッドが、戦争による別離を経て、フォークソングを収集するためにメイン州を旅する姿を描いた作品です。
本作は、ベン・シャタック（Ben Shattuck）による短編小説を原作に、南アフリカ出身のオリバー・ハーマナス（Oliver Hermanus）が監督を務めました。
ライオネル役を『アフターサン（Aftersun）』、『異人たち（All of Us Strangers）』、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声（Gladiator II）』、現在、最も勢いのある俳優の一人でアイルランド出身のポール・メスカル（Paul Mescal）、デヴィッド役を『ゴッズ・オウン・カントリー（God’s Own Country）』、Netflix『ザ・クラウン（The Crown）』、『チャレンジャーズ（Challengers）』など様々な作品に出演しているイギリス出身のジョッシュ・オコナー（Josh O’Connor）が演じています。
この投稿をInstagramで見る
本作については、アン・リー監督によるヒース・レジャーとジェイク・ギレンホール共演の『ブロークバック・マウンテン』（2005）と比較されることに対して、ポールは、記者会見にて以下のように回答しています。
I personally don’t see the parallels at all between “Brokeback Mountain” other than the fact that we spend a little bit of time in a tent… When I look at the “Brokeback Mountain”, it’s a beautiful film but it is dealing with the idea of repression and this film is fundamentally pointed in the opposite direction. So, I think, to be honest, I found those comparisons relatively lazy and frustrating, but for the most part, I think that the relationship that I have to the film is born out of the fact that it’s a celebration of these two men’s love, not a kind of film about their repressed relationship with their sexuality…
個人的には、テントのシーンがあること以外で、『ブロークバック・マウンテン』との類似性は見当たらないと思います。『ブロークバック・マウンテン』は美しい作品ですが、抑圧を描いたもので、本作では基本的に正反対のアプローチを取っています。なので正直に言うと、比較するのは安易ですし、もどかしさも感じます。しかし大部分において、私がこの映画に感じる関係性は、二人の男性の愛を祝福する事実から生まれるものであり、彼らの抑圧されたセクシャリティーからくる関係を描いたような作品ではありません。
『THE HISTORY OF SOUND』は、アメリカでは9月12日から公開されます。日本での公開は現時点では未定ですが、おそらく日本でも公開されるのではないかと思われます。その日が来るまで、もう少し待つことにしましょう。
1917年、ボストン音楽院に通う若き音楽学生ライオネルとデイヴィッドは、フォークソングへの共通の愛をきっかけに親しくなる。数年後、戦争から戻ったデイヴィッドとライオネルと一緒にメイン州の人里離れた地へ、歌を収集する旅に出るのだった――。
映画概要
タイトル：THE HISTORY OF SOUND｜2025／英国＆米国
監督：オリバー・ハーマナス
脚本：ベン・シャタック
出演：ポール・メスカル、ジョシュ・オコナー、クリス・クーパー、ラファエル・スバージ、モリー・プライス、トム・ネリス、アレッサンドロ・ベデッティ、エマ・カンニング
コメント