孤独と向き合う
色々と突き詰めると人間は孤独なのかもしれません。
孤独だから、「話を聞いてくれる人がほしい」、「愛してくれる人がほしい」となるのでしょう。しかし、話を聞いてくれる人が見つかっても、愛し合ってセックスをしてくれる人が見つかっても、やっぱり心の奥で孤独を感じることも・・・。それは自分の心を理解しているのは他人ではなく、自分しかいないからかもしれません。
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孤独を感じ、孤立することで「不安」を感じるようになり、その状態が長く続けば精神的につらい状態に追い込まれ、精神衛生の面では悪い影響をあたえることにもなります。しかしその孤独を回避するために無理や無茶をすれば、かえって身体的・心理的負担が生じることにもなります。
もちろん自分以外の外に求めたほうが良い場合もありますし、勇気を出して何か新しいことを始めてみることで良い方向に向かうこともあるでしょう。しかし、「何かをしたら孤独ではなくなる」といった考えを持つのではなく、孤独を感じながらも、どうやってその孤独と向き合うのかを考えていくことが重要なのかもしれません。
今回は「孤独と性交渉に関する調査」をご紹介します。
この調査は中国のゲイ・バイセクシャルの男性を対象にしたものになりますが、割合は違うものの日本でも同じような傾向にあるかもしれません。
孤独を感じているゲイの男性
ある調査によって、男性と性交渉をする男性の3分の2がコンドームを使わずに受けのアナルセックスをしているということがわかった。
過去の調査では、精神衛生上の問題をかかえるゲイやバイセクシャルの男性はHIVに感染するリスクがより高いが示されたが、最新の調査結果ではこの問題の程度を表わしている。
調査には507人の中国人が参加し、『そのうち孤独を感じている人は、そうでない人に比べて過去6ヶ月間においてコンドームを使わない受けのアナルセックスをしている傾向にある』ということを研究者たちは明らかにした。
カリフォルニア、中国の北京、南京の機関を拠点に活動している専門家たちは、その違いは著しいもので、67%の孤独を感じている対象者はコンドームを使わない受けのアナルセックスをしていると述べた。
調査によると、彼らは他者に比べて2倍以上も将来に対して希望がないと感じているという。
調査参加者全員のうち、35%の対象者が孤独を感じていると答えている一方で、1/4にあたる26.8%以上は中等度から重度の鬱の症状を感じていると報告した。
研究者は『中国において男性と性交渉をする男性(MSM)は鬱や孤独である割合がかなり高い』と結論を出した。
「HIV予防努力として、社会的支援やロールモデルのための安全な環境を与えるなどして、中国のMSMの人を対象としたメンタルヘルスにおけるニーズに対応していかなくてはなりません」
昨年、性の健康の慈善団体であるテレンス・ヒギンズ・トラストによる老年HIV感染者の第一世代に関する報告書では、彼らは貧困、孤独、差別に直面していると警鐘を鳴らしていた。
テレンス・ヒギンズ・トラストは、目の前にある難題の規模が原因となっており、社会的ケアも時間の問題であると警告した。
HIVに感染している調査対象者の50歳以上のおよそ10人のうち6人(58%)が貧しい暮らしをしており、これは一般人口の2倍に相当する。一方で、84%の対象者が将来の資金計画に不安を抱いていた。
240人を上回る年配のHIV感染者の調査では、82%が中等度から重度の孤独を感じており、これは同年代の一般人口の3倍に相当する。
先月、イギリス議会の超党派グループによる報告書では、中間所得層の国々における反同性愛のスティグマは世界のHIV/AIDSとの闘いに悪影響を与えているということを明らかにした。
社会から取り残されたグループは、スティグマが理由となりHIV対策の遅延の事態に陥ってしまうと議員たちは警告している。
国際的援助は貧しい地域への財政的支援に焦点を定め直していることもあり、”No One Left Behind” の報告書は、中間所得層の国々において社会から取り残されているグループへの支援におけるギャップを強調した。
今年2月、フィリピンにおけるHIVに感染していると診断された数は過去10年間において3,147%にも跳ね上がったことが明らかとなった。
このニュースは、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が『心地よい』ものではないとしてコンドーム使用をすべきではないと述べた数日後に伝えられた。
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