少し真面目に考えるゲイのセックス
ゲイの皆さんが考える「セックス」とはどんなものでしょうか?
あなたが思っている”セックス”は本当にみんなが思っている”セックス”なのでしょうか?
一般的に「ゲイは性的に活発」と言われているように、アプリやSNSを覗いてみるとセックスをしたくてたまらなそうな多くのゲイの方々をお見かけします。また、ゲイの友人との会話の中では「最近なんかあった?」と挨拶のような質問をすると「この前会った人と・・・。」といったこともよく耳にします。
これもまた一般的に「男性同士のセックス=アナルセックス」と思われていますが、これは男女間のセックスにおける「凹凸」を男性同士のセックスにも当てはめているからでしょう。その当事者であるゲイの皆さんもセックスには「凹凸」が必要と考える人も多く、「タチ」「ウケ」「リバ」といった感じで自分自身にラベル付けをすることで、セックスの相手のミスマッチを事前に回避しようとしています。
実際のところゲイに限らずセックスが好きなノンケもいれば女性もいますし、ゲイだけが性的に活発というわけでもありません。もちろんゲイの中にもそうでない人もいますし、アナルセックスが好きな人もいればそうでない人もいます。改めてこれまで関係を持った人たちを思い出してみると、確かにバニラセックスを好む人もいました。もしかしたら、単にさっさと済ませたかっただけなのかもしれませんが、今となってはその真相は闇の中に・・・。
セックスに対する考え方も人それぞれで、とりあえず1回は試す好奇心旺盛な人もいれば、最初から自分には無理だと思うことについては敢えてやらない選択肢をとる方もいます。 どちらが良くてどちらが悪いということはありませんし、心もカラダも気持ち良くなるためにセックスをしようとしているのですから、自分の意に反することをする必要はありませんよね。ただ、相手あってのことなので独りよがりになってしまってはいけないということは理解しておいたほうがいでしょう。
単にセックスの相手を求めているだけであれば、今この瞬間の欲求を満たしてくれそうな人を探せば事足りるかもしれません。しかし、お付き合いをしようと考えている人の場合はどうでしょうか?あなたの恋愛においてセックスがどのくらいの比重を占めていて、どんなセックスを望んでいるのかによっても相手に求めるものは変わってきます。そのことについて相手とちゃんと話をするとしないとではお互いの関係性も大きく変わっていくでしょう。ただ、最初からセックスの話をすると「ヤリ目か?」と思われてしまう可能性もあるので、相手を知ることを前提にこれまでの経験を聞くなかで自然に誘導してみるほうが良いかもしれません。その上で自分と相手との間で求めるセックスが異なる場合、どうするかはあなたが素直に感じたとおりに答えを出してみたらいいのではないでしょうか。
セックスを楽しむことは決して悪いことではありません。ただ、あなたが思う”セックス”が必ずしも正しいわけではなく、セックスも人それぞれであることは経験豊富なみなさまならもうお分かりですよね。
アナルセックスを楽しめないゲイの苦悩は思ってる以上に深刻・・・。
あなたには誰にも言えない秘密がある。恥ずかしくてゲイの親友にも言えないこと。それは毛ジラミのような年代物の性感染症でもなければ、汗だくの脇好きのフェチでもない。それはゲイなのにアナルセックスが好きではないということである。
信じられないような話かもしれないが、ゲイの男性の中には「タチ」、「ウケ」、「リバ」といったように自身へのラベル付けを求められるコミュニティーの中でどことなく受け入れられないのではないかと感じ、どう切り出したらよいものかと悩んでいる人も多い。もしアナルセックスが嫌い又は、やらないことを意味する「side」であったらどうなのかについて考えてみよう。なぜならあなたが思っている以上にゲイの男性の中ではよくある話なのである。
あなた自身に問う最初の質問は、なぜアナルセックスが嫌いなのかである。
ゲイの中にも「汚い」と考えている男性もいる。確かに我々は、体が不要になったものを排泄するところと同じ場所に挿入する行為について話をしているのである。食の選択から衛生療法といったように感情、ニオイ、キレイな見た目をコントロールするには努力と労力が必要である。これは単に瞬時の興醒めであり、対処すべきことではなく問題ないと考える人もいる。
挿入する行為は相手を傷つけてしまうのではないかと考える人もいる。もしあなたがウケなら、文字通りあなたの中で相手を受け入れなくてはならないですし、無防備に感じざるを得ないでしょう。タチにとっては責任を負うことになるが、その負担は重すぎるようにも思える。
他にも性感染症のリスクもある。アナルセックスをする人はそうでない人に比べるとHIVやその他の性感染症に感染するリスクが高く、挿入される側にとってはそのリスクはさらに高くなる。もちろんコンドームやPREP、あるいは検出限界以下といったようにHIVや性感染症を防ぐための効果的な方法はあるが、その割に合わない不安が生まれるだけと考える人もいる。
もしこれらに当てはまるようであれば、新たな試みにも付き合ってくれる安心でき我慢強いセックスパートナーを含めてセラピストや支援者と共にあなたの恐怖を克服しなければならない可能性もある。我々の恐怖はしばしば根拠のないもの、あるいは訳の分からないものに基づいており、もしそうであれば克服することは可能である。しかし、あなたが単に興味がないという可能性もあるが、実際そういった男性も存在する。そして、それらはどちらが悪いということではない。
運が悪いことに、自身のポジションをそのまま名乗るアプリ(Grindr)の世界では、アナルセックスをしないという選択がないようにも思える。それはゲイの世界における文化規範や会話の一部分であるがため、興味がないことがおかしいのではないかと考えがちである。アナルへの挿入を伴わい行為はセックスとみなさない男性も多い。
この件関しては新しい考えを根付かせる必要がある。どんなかたちであれセックスはセックスである。オーラル(口)、手、おもちゃ、どんな種類のセックスの行為であれそれはセックスである。満たされ、親密になり、熱くなるためにアナルへの挿入は必ずしも必要ではない。アナル以外の行為をアナル以下として目を向けるのではなく、それを同等のものとして見てみたらどうだろうか。
誰かにどんなセックスに興味があるかと聞かれた際、わざわざアナルセックスには興味がないと伝える必要はない。ただ、それが価値のあるものとしてアナル以外にやることを伝えれば良いのである。もしパートナー候補があなたがアナルセックスに興味がないことを知り、あなたと別れたとしても、それは相手があなたを失ったのであり、自ら制限をかけただけである。
アナルセックスに興味がない理由が何であれ、それは問題ではない。ただし、コミュニケーションが大切であることは覚えておくべきである。重要なのはあなたの気持ち、欲望、そして不安なことをパートナーと共有することである。この4文字、「アナルセックスがすべてはない(anal sex isn’t everything!)」ということを忘れてはいけない。
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