声なき声を届けるドキュメンタリー映画
ケニアに暮らすゲイの男性の日常を記録したドキュメンタリー映画「I Am Samuel」。
この作品はケニアだけではなく、東アフリカで劇場での上映禁止となっていますが、アフリカ全土で10月14日からオンラインで配信されることになりました。
ケニア映像等級審査機構は、この映画がLGBQ+の人々に対する支援や同性婚を肯定的に表現しているとして上映を禁止しました。さらに、同性愛を禁止する刑法第165条及び、結婚は異性間でのみ成立すると定義されているケニア憲法第45条に違反していることも上映禁止として伝えられています。先述の通り、ケニヤでは同性愛は違法とされており、有罪となれば最長14年間の禁固刑が科せられることになります。
ケニアは以前、ガールズ・ラブを描いた2018年の作品「ラフィキ・ふたりの夢(RAFIKI)」の上映も禁止をしました。
ピーター・ムリミ(Peter Murimi)が監督を務めた「I Am Samuel」は5年の歳月をかけて撮影され、52分間の映画の中ではサミュエル(Samuel)と彼のパートナーのアレックス(Alex)のプライベートでリアルな日常が記録されています。また、この映画ではサミュエルの両親との関係や首都ナイロビ内外でのケニヤのLGBTQ+の人々についても取り上げています。
この作品は2020年に開催されたカナダのHot Docs Documentary Festivalで初上映され、世界各地の25もの映画祭でも上映されました。
ピーター・ムリミ監督は「植民地化や奴隷制度などのバックグラウンドのあるアフリカ人として特に我々は共感できるものと思っています。それは他人より劣っているとして扱うようなことはしないといったようなことです。この映画では基本的には黙っていようとしている人に発言する権利を与えようとしています。すべての声が聞こえることが重要なのです」と述べました。
日本での上映や配信は未定ですが、是非、日本でも見てみたい作品の一つです。
関連記事:Kenya Banned This Gay Documentary — It Will Now Stream Across Africa
映画概要
タイトル:I am Samuel(2020年製作/ケニア)
監督:Peter Murimi
Website:https://www.watchiamsamuel.org/
Twitter:https://twitter.com/IamSamuelfilm
コメント