いくつになっても健康的な性生活を
ゲイの男性はいつまでセックスをするのでしょうか?
あなたは50歳になってもセックスをしていると思いますか?
既に50歳以上のゲイの方であれば既に答えが分かっていると思いますが、まだ50歳になっていない方の中には「している/していたい」と考えている人いれば、「その年齢になるころにはもうしていない」と考えている人もいるでしょう。
実際のところ、「してもよい/してはいけない」といったルールが存在するわけでもないので、「したい人/できる人」はするでしょうし、「したくない人/できない人」はしないというのが答えになるでしょう。
年を取ると若い頃のようにいかないことも多々あります。ある調査によると、45歳以上のゲイの男性の半数以上はパートナーがいないとのことです。
「特定のパートナーがいないからセックスをしたい」なのか「セックスをしたいから特定のパートナーがいない」なのか事情は人それぞれ異なります。もちろんむやみやたらとセックスをすべきということではないですが、年齢に関係なくセックスをしたいと思うことは悪いことではありませんし、性生活が満たされれることで高い生活満足度を得ることができ、身体的・精神的な健康にも良い影響をもたらすとも言われています。
今回は50歳以上のゲイの男性の性生活に関する調査を行ったミシガン州立大学のPhDキャンディデイトのLucas R. Prieto氏のインタビュー記事をご覧ください。
50歳以降のゲイセックス
ミシガン州立大学のPhDキャンディデイトが50歳以上のゲイの男性の性生活に焦点を当てた調査を行っている。『SASSY: Study on Aging and Sexual Satisfaction Among Gay Men』は、Lucas R. Prieto氏の発案によるものである。Prieto氏がPride SourseにSASSYと彼の研究について語っている。
あなたのウェブサイトよると、あなたは50歳以上のゲイの男性間の性的満足についての議論を進展させることに情熱を注いでいると記載されています。現在、おいくつですか?また、その情熱はどこから来ているのですか?
現在、私は30歳です。幼い頃に性的健康や幸福に関心を持つようになり、ルース・ウエストハイマー博士(Dr. Ruth Westheimer)のセックストーク番組の再放送をよく見ていました。私はセックス対してオープンになれるルース博士に感銘を受け、人助けをしたいと思うようになりました。私の考えでは、我々は自分たちの性生活についてもっとオープンかつ、正直になるべきだと思いますし、特に50歳以上の方々ですが、どの年代であってもセックスは素晴らしいもので、自身の健康にとっても良いことであるということを他の人々に伝えていく必要があると思います。
この調査の具体的なゴールについてお聞かせください。
この研究のゴールの一つは、50歳以上のゲイの男性がセックスをするのかということとその方法について理解することです。また、調査では、特にゲイの男性に関連した年齢差別(エイジズム)や年齢差別が性的満足に影響するのかどうかについて焦点を当てています。これまでの調査で明らかとなったエビデンスでは、一般的にセックスに関連した年齢差別のメッセージを内在化している年配者は、性的健康や幸福の状態が良くない傾向にあることを示しています。ゲイカルチャーが年齢差別を差別と思わない傾向にある中で、私はこの内在化がゲイコミュニティーとどのようなつながりがあるかに関心があります。
50歳以上のゲイの男性はAIDS感染が不安な時代に育ち、AIDSで亡くなった友人がいたり、AIDSの恐怖やスティグマを思い出したりする人もいるでしょう。また、中にはHIVとともに生活している人もいるでしょう。これらの経験は年配のゲイの男性の間で性的健康や習慣にどのような影響をもたらしてるのでしょうか?
AIDSパンデミックにより、現世代の50歳以上のゲイの男性となっていただろうゲイの男性人口の大部分を我々は失っています。ゲイコミュニティーにおける多大な損失によってセックスやゲイの男性に対して否定的な印象が形成されたことで、現世代の50歳以上のゲイの男性は性行動をコントロールし、性的スティグマを捨て去ることが更に難しくなってしまいました。現在、HIV感染リスクを大幅に減らすことができるPrEPといった性医学の進展により、今日のゲイの男性がどのようにセックスをしているのかにも変化が見られます。
50歳以上のゲイの男性に向けて健康的な性生活の良い点について何かアドバイスはありますか?
健康的な性生活にはいくつかのメリットがあります。例えば、満たされた性生活を送っている人は生活満足度が高く、身体的にも精神的にもより健康であると言われています。50歳以上のゲイの男性に向けたセックスについての最善なアドバイスとしては、健康的な性生活を追求すること、そして、その過程で嫌なことに遭遇したとしてもくじけないことです。特にゲイコミュニティーで見受けられることで、ある一定の年齢に達した年配者はセックスをしてはいけないという社会からの否定的な信号が数多く発せられていますが、これらは間違いです。
あなたがより良い健康的な性生活を送るためにどこから歩み始めたら良いのかわからないのであれば、あなた自身のセックスに対する障壁について自問してみてください。もしパートナーがいないのであれば、他者との繋がりを求めてLGBTQIA+を含むイベントに参加してみてはどうでしょうか。もし身体的または、精神的な障壁があるのであれば、あなたの選択肢について相談できるセックスを専門とした医者や臨床医に診てもらってください。さらに、もしあなたがセックスをしないことに満足しているのであれば、それはあなたにとっては絶対的な特権であり、あなたは健康そのものです。セックスは一人ひとり異なるもので、あなた自身で自分にとって正しいものは何か、自分自身の欲求とニーズが何であるかを見つけ出さなければなりません。
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