オープンリーゲイのトム・デーリー、コモンウェルスゲームズ参加国のLGBTQ+アスリートの人権を訴える

スポーツ
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Illegal To Be Me(私になることが違法になる

コモンウェルスゲームズをご存じでしょうか?

コモンウェルスゲームズとは、イギリス連邦(イギリスと旧イギリス植民地から独立した諸国で構成される、ゆるやかな連合体)に属する72の国と地域(54カ国)が参加して4年ごとに開催される総合競技大会です。今年は開催の年であり、7月28日(木)~8月8日(月)にイギリス、バーミンガムで開催されました。

今年のコモンウェルスゲームズの開会式では、東京2020オリンピックの男子シンクロ高飛び込みで金メダル、10m高跳込で銅メダルに輝いたイギリスのオープンリーゲイのトム・デーリー(Tom Daley)が6人のコモンウェルス加盟国出身のLGBTQ+アスリートや支援者と一緒に登場し、クィーンズバトン(オリンピックの聖火リレーのようなもの)をスタジアムに届けました。

インスタグラムにも写真が投稿されていますが、今回、トム・デーリーと一緒に登場したのが、ナイジェリア出身で同国のTVで初めてゲイであることをカミングアウトをしたビシ・アミリBisi Alimi)、ジャマイカのLGBTの権利団体のエグゼクティブディレクターのグレンロ・マーレイGlenroy Murray)、ナショナルチームに選ばれたインド初のオープンリーゲイのスプリンターのデュティ・チャンドDutee Chand)、LGBTQ+難民をサポートする団体のMicro Rainbowのナショナルマネージャーのジンバブエ出身のモウド・ゴバMoud Goba)、 LGBT活動家でトリニダード・トバゴ出身のジェイソン・ジョーンズJason Jones)、LGBT活動家でウガンダ出身のプロッシー・カコーザProssy Kakooza)の6人です。

 

 
 
 
 
 
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閉会式翌日の8月9日(火)には、BBCのドキュメンタリー番組「Tom Daley: Illegal To Be Me(トム・デーリー:私になることが違法になる)」が放送されました。日本では未公開ですが、この番組ではコモンウェルスゲームズに参加する54か国の内、半数以上の35か国で同性愛が今も違法であることを伝え、トム・デーリーが同性愛が死刑の対象となるパキスタンと10年間の重労働刑となるジャマイカを訪れ取材をしています。

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シンガポール、刑法377A条が撤廃され、男性間性交渉を合法化

今回のコモンウェルスゲームズでのイギリス連邦の国々に対するLGBTQ+の可視化の効果なのか、8月21日(日)、イギリス連邦の加盟国であるシンガポールが男性間における性交渉を違法としている刑法377A条を撤廃することを発表しました。

シンガポールのリー・シェンロン首相は、演説の中で刑法377A条の廃止が最後に議論されたのは2007年であり、その時点で政府は「法律を廃止するまでには至らず」、代わりに「積極的に施行しない」ことを決定したと述べました。

それから15年が経った現在、同性愛が正しいか間違っているかについて、シンガポール人は依然として異なる見解を持っているものの、ほとんどの人は、人の性的指向と行動は私的なものかつ個人的な問題であり、男性間のセックスは犯罪であってはならないことを認めていると述べています。

演説の最後にリー首相は、刑法377A条を廃止し、男性間のセックスを非犯罪化することに対して、「これは正しいことであり、ほとんどのシンガポール人が受け入れるものだと信じています」と最後に述べています。

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タンザニアから日本に逃れてきたゲイカップル

日本でも7月に兵庫県在住で同性愛が違法とされているアフリカのタンザニアから逃れてきたゲイカップルが日本で難民認定を求めているというニュースがありました。(タンザニアもイギリス連邦の加盟国です)

この記事にも書かれていますがタンザニアでは、同性愛はタブーであり、プライベートであっても、同意の上でも同性間の性行為は犯罪であり、終身刑の可能性もあります。

日本での難民認定のハードルはかなり高く、彼らは既に2回難民認定申請をしていますが、2回とも却下されてしまっているとのことです。彼らがもしタンザニアに強制送還されるようなことがあれば、日本では想像もつかないような不当な扱いを受けることは明らかです。彼らが安心して毎日を過ごすことができる日が来ることを願うばかりです。

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