「リスクの高い性行為」を行うゲイの男性は、異性愛者の男性よりも、炎症性腸疾患と診断される可能性が約2倍も高い

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より良い性生活を送るためにも

つい先日、性感染症の「梅毒」の患者が今年になって急激に増え、2022年の患者数は全国で1万人にのぼり、過去最多を更新しているというニュースが放送されていました。

原因は定かではないようですが、SNSやマッチングアプリなどによって、以前に比べると不特定多数の人と性交渉をしやすくなったという見方があるとのこと。

男性は幅広い年齢で感染者が増えている一方で、女性にあたっては若い世代における感染者割合が増えているとのことです。感染経路の多くが、性器や肛門、口などの、粘膜を介する性的な接触となっていることから、ゲイの方々も十分に気を付ける必要があります。

今回紹介する記事は、ゲイの男性は異性愛者に比べて炎症性腸疾患 (IBD) と診断される可能性が約2倍高いという調査結果についてです。

日本消化器病学会によると、炎症性腸疾患とは以下の通りとなっています。

炎症性腸疾患は、英語ではinflammatory bowel diseaseと呼ばれ、その頭文字をとってIBD(アイビーディー)と略されます。IBDは、広い意味では腸に炎症を起こす全ての病気を指しますが、狭い意味では「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」のことを意味します。潰瘍性大腸炎もクローン病も今のところ原因がはっきりとはわかっておらず、このため発症すると長期間の治療が必要な慢性の病気です。また、長期的には病状が悪い時期(再燃期)と落ち着いている時期(寛解期)を繰り返すのが特徴です。

引用:「日本消化器病学会 炎症性腸疾患(IBD)ガイドQ&A

「梅毒」の増加と同様にマッチングアプリ等により不特定多数の相手とのセックスのハードルが下がったことや、ここ数年ではHIV感染のリスクを減らすPrEPを服用する人も増えたこともあり、コンドームを付けずにセックスをしているゲイの方々も増えています。ただ、PrEPはあくまでもHIV予防方法であり、梅毒や淋病、クラミジアなど他の性感染症を予防することはできません。

その他、OnlyFansやmyfansなどのアダルトコンテンツを含むサブスクリプション型SNSの普及により、コンドームを付けない性行為や複数人での性行為などが「普通」と錯覚させるよう影響を与えている可能性もあります。

セックスをすること自体が悪いのではありません。ただ、セックスをするのであれば、そこに伴うリスクについて知っておく必要があります。より良い性生活を送るためにも、今一度、ご自身の性生活について考えてみてはいかがでしょうか?

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ゲイの男性が直面する炎症性腸疾患のリスク

最近の研究では、「リスクの高い性行為」を行うゲイの男性は、同様にリスクの高い性行為を行う異性愛者の男性よりも、炎症性腸疾患 (IBD) と診断される可能性が約2倍高いことが明らかになった。

ゲイの男性の性的関心を考えると、それは一般的に理にかなっているように聞こえるかもしれないが、研究者はまだ決定的な原因を見つけてはいない。この研究では、「リスクの高い性行為」を、コンドームを使用しない性的接触、および複数の人との性行為と定義している。

彼らは原因を追究するためこの問題をより詳しく調査する予定です。

ケース・ウェスタン・リザーブ大学とユニバーシティ ホスピタルズ クリーブランド メディカル センターが実施したこの研究では、2002年から 2022年の間に全米の58の医療機関から収集された自己申告データを調べた。

研究者らは、リスクの高い同性間による性行為を行っていると自己申告した個人の0.8%がクローン病 (痛みを伴う消化管の炎症) を患っており、1.26%が潰瘍性大腸炎 (腸の痛みを伴う潰瘍) を患っていたことを発見した。それに比べて、リスクの高い異性間における性行為を自己申告した男性の 0.49%がクローン病を患っており、0.52%が潰瘍性大腸炎を患っていたとSciTech Dailyは報告した。

研究者はまた、リスクの高い同性間による性行為を行ったクローン病の男性は、肛門組織に影響を与える痛みを伴う可能性のある他の肛門周囲疾患や、結腸または小腸を危険なほど狭窄させる可能性のある疾患を患う可能性が高いことも発見した。

研究チームは、国立衛生研究所からの1,100,000ドルの助成金を使用して、この問題をより綿密に研究し続けると述べた。この助成金により、2025年までの腸内微生物叢分析のために、LGBTQの人々からより多くの血漿、組織、便のサンプルを収集することができる。

「他の患者グループと比較して、取り上げられることの少ない患者集団におけるIBDの原因を研究することで、偏見をなくしつつ、クローン病および潰瘍性大腸炎患者の疾患発症の原因をさらに調査し、個別の精密医療および治療戦略を開発することができます」とこの研究の共著者であり、ケース・ウェスタン・リザーブ大学の医学部教授であるファビオ・コミネッリは述べている。

この研究は、査読付きの医学雑誌Gutに掲載された。

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