2021年の国勢調査からイングランドとウェールズの16歳以上の人口の3.2%にあたる約150万人がLGB+であることが明らかに

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イギリスで初めて「性的指向」及び「性自認」に関する質問をすることになった国勢調査の結果

イギリスでは10年毎に国勢調査が行われ、2021年3月21日に実施されたイングランドとウェールズの国勢調査では、初めて「性的指向/性自認」に関する質問が設けられました。

今年に入り2021年の国勢調査の結果が公開され、イギリス、ウェールズにおけるLGBTQ+の人口が明らかになりました。

「性的指向/性自認」に関連する質問は16歳以上の4,570万人が回答し、3.2%にあたる約150万人がLGB+であることが明らかなりました。その内、74万8千人がゲイまたはレズビアン、62万4千人がバイセクシュアル、16万5千人が「その他の性的指向」であったとのことです。

これまで日本におけるLGBTQ+の割合に関する調査はいくつか行われていますが、平均して約8~10%という結果が出ています。前々からこれらの結果の信ぴょう性を疑問視していましたが、今回の発表されたイギリス、ウェールズの調査結果を見る限り、「やはり」と言ったのが正直なところです。

2023年に国勢調査が行われるニュージーランドでは同様の「性的指向/性自認」に関する質問が設けられているとのことです。日本では2025年に国勢調査が行われます。日本におけるLGBTQ+に関するデータによる正確な状況の把握をするためにも同様の質問が設けらえれることを期待したいものです。

今回はイングランド、ウェールズに関する国勢調査の結果についての記事をご紹介します。

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史上初、国勢調査によってイングランドとウェールズにおけるLGBTQ+の人口が明らかに

イングランドとウェールズにおける最新の国勢調査データが公開され、UKの26万人以上がトランスジェンダーであることが明らかになった。

約150万人(3.2%)がLGB+であると自認していると回答し、4,340万人(89.4%) がストレートもしくは、異性愛者であると回答している。

国勢調査での質問は「次のうち、あなたの性的指向を最もよく表しているのはどれですか?」といったもので、ストレート、異性愛者、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、もしくは、その他の性的指向を選択できるものであった。

150万人のうち74万8千人がゲイまたはレズビアンであると回答し、62万4千人がバイセクシュアル、16万5千人が「その他の性的指向」を選択した。

国家統計局 (ONS) による10年に1度の報告書が金曜日(1月6日)に発表され、国民の性的指向と性同一性に関する統計が含む初めての報告書となった。

回答者の4,570万人のうち、26万2000人が任意の質問である「あなたのジェンダーは出生時に登録された性別と同じですか」に対して「いいえ」と答えたことが分かった。

回答者の11万8千人については、自認する性についての回答はなかった。

4万8千人がトランスジェンダーの男性と自認しており、トランスジェンダーの女性も同数であった。国勢調査によると、このデータ収集では、3万人がノンバイナリーであると自認しており、1万8千人が異なる性自認であると回答した。

性同一性とは、自分の性別についての認識や感覚のことであり、2021年の国勢調査で新たに追加された質問により、国家統計局はイングランドとウェールズのトランスジェンダーの人口の規模を把握するができた。

このデータは、監視目的のためのより良い情報を可能にし、差別禁止の支援、資源や政策の策定を支援することを目的としている。

LGBTQ+の人々の割合が最も高いのはロンドン
ロンドンは、LGBTQの人々の割合が最も高い地域であるという結果となった。

性自認の質問に「いいえ」と答えた 26万2千人のうち、0.91%がロンドン在住であった。性自認が出生時の性別と異なると回答した人の割合についてはサウス・ウエスが最も低く、0.42%であった。

報告書によると、性別の質問に「いいえ」と答えた回答者の割合については、ウェールズの0.40%に対して、イングランドはわずかに高く0.55%であった。

この統計データは16歳以上を対象に上記の任意の質問によって収集された。

人々の性的指向に関するデータを収集することで、クィアコミュニティーの基準を把握し、差別を改善することを目的としている。

国家統計局のディレクターであるジェン・ウールフォード氏は、次のように述べている。「(イングランドとウェールズにおける)性自認や性的指向に関連した地方レベルでの推定人口を今回初めて把握することができたことは極めて重要なことです」

「統計データは意思決定者らにとって最良の情報となり、教育の成果、健康、雇用、住居に関連して人々が経験する可能性のある不利益の程度や本質をより深く理解できるようになるでしょう」

2020年に発表された2018年に国家統計局が実施した人口調査の結果では、英国人の50人に1人程度がLGBであるということが明らかとなった。

これにより「あなたの性別は?」という質問に関する2021年の国勢調査ガイダンスを修正するよう高等法院が国家統計局に命じることとなる。

この問題は、Gender Recognition Actの改正(※)への反対キャンペーンのために設立さた反トランス圧力団体である”Fair Play for Women”が、国家統計局に対する法的異議申し立ての資金調達のためにクラウドファンディングを開始した後に発生した。同団体はこれにより10万ポンド以上もの資金を集めた。
※Gender Recognition Actとは、性別違和の医学的診断と自分が希望する性で少なくとも2年間の生活していることが証明できれば出生証明書の性別を変更できるというもの。改正案では、申請者は診断や証明なしに自分の希望する性に変更することができるというもの。スコットランドでは2022年12月に法案が可決されている。

国勢調査における性別に関する必須の質問には、「男性」または「女性」の回答が必要である。

性別に関する質問に付随するガイダンスには、「回答方法を検討している場合、出生証明書、ジェンダー認識証明書、パスポートなどの法的文書のいずれかに記録されている性別を使用してください」と記載されていた。

これに対して”Fair Play for Women”は法廷で、国家統計局は「パスポート」という言葉で「セックスを再定義」していると主張した。高等法院の判事は団体側に立ち、国家統計局に「など」と「パスポート」の文言をガイダンスから削除するよう命じた。

関連記事:Size of England and Wales’ LGBTQ+ population confirmed for first time by new census data

 

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