ポーランド、エストニア、ノルウェー、リトアニア、アルメニアの代表が決定
今年5月13日(火)~17(土)にかけてスイス、バーゼルで開催されるユーロビジョン・ソング・コンテスト2025。
ユーロビジョン2025の国内選考会が毎週末行われていますが、2月14日(金)にポーランド、15日(土)にエストニア、ノルウェー、リトアニア、16日にアルメニアで国内選考会のファイナルが開催され、各国の代表が決定しました。
イタリアでは15(土)にユーロビジョンへの出場権が得られるFestival di Sanremo 2025が開催され、オーリー(Olly)が優勝しましたが、オーリーは現時点ではユーロビジョン2025への出場の表明をしていません。
Justyna Steczkowska – GAJA | Poland
ポーランドのWielki Finał Polskich Kwalifikacji 2025には、11組のアーティストが出場し、前評判通りユスティナ・ステチュコフスカ(Justyna Steczkowska)が優勝しました。
Wielki Finał Polskich Kwalifikacji 2025では、ユーロビジョン2024で準優勝したベイビー・ラザニア(Baby Lasagna)がオープニングで「Rim Tim Tagi Dim」を披露し、後半では「Biggie Boom Boom」「Don’t hate yourself」「Stress」のパフォーマンスを行いました。
Justyna Steczkowskaは、現在52歳、ポーランド出身のシンガーソングライター、写真家、女優として活動しています。とてもお美しいですし、スタイルも素晴らしいです。これまで15枚のアルバムをリリースしており、1995年にはポーランド代表としてユーロビジョンに「Sama」で出場し、結果は18位でした。
壮大なスケールを感じさせる「GAJA」のライブパフォーマンスは、歌って、踊って、バイオリンも弾いて、さらには宙に浮くという、Justynaならではの完成度の高いステージだったように思います。一方で、やや詰め込みすぎな印象もあり、「アーーーー」というところは覚えていますが、歌が良くわからないので、もう少し歌をじっくり聴きたかったというのが正直なところです。とはいえ、彼女のパフォーマンスは素晴らしいものでしたので、バーゼルの舞台でも期待しましょう。
ポーランドは、セミファイナル1に出場します。
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Tommy Cash – Espresso Macchiato | Estonia
エストニアのEesti Laul 2025には16組のアーティストが出場し、その内上位3組がPublic票のみのスーパーファイナルに進出し、トミー・キャッシュ(Tommy Cash)が「Espresso macchiato」で優勝しました。
個人的にはEesti Laul 2023年に「House of Glass」で出場し、今回2回目の挑戦の金融会社の会社員をしながら音楽活動を行っているヤネック(Janek)を応援していましたが、残念ながらスーパーファイナルには進めず、結果は4位でした。ステージ演出はMVの世界感を表現してましたが、最後だけは箱から出てきたほうがもっと良かったような気がしました。後は2023年の時のようにおでこを出した髪型のほうが可愛かったです。
Tommy Cash(本名:Tomas Tammemets)は、エストニア出身の33歳のラッパー、シンガー、ビジュアルアーティストです。2012年にSoundCloudで音楽活動を始め、2017年にはESNSやエストニア最大のフェス「Õllesummer」に出演し、Charli XCXやJojiらとコラボして注目を集めました。
2018年には「Surf」のMVがエストニア・ミュージック・アワードで受賞し、アルバム『¥€$』がチャート1位になりました。以降もDiplo、$uicideboy$、Oliver Treeらとコラボし、2020年のロシア代表Little Bigや2023年のフィンランド代表Käärijä(Eesti Laul 2025の会場にも来ていました)とは「It’s Crazy It’s Party」共演するなどユーロビジョンの世界にも関わっています。
スーパーファイナルに進出すれば、トミー・キャッシュが優勝するだろうと思っていましたが、予想通りの結果となりました。ただ、歌唱力が際立っているわけではなく、出落ち感もあり、ステージパフォーマンスも斬新さやインパクトという点では物足りなさを感じました。今年のEesti Laul 2025の出場者は興味深いラインナップだったため、個人的にはこの結果にモヤモヤが残る部分もあります。とはいえ、最終的にはエストニアが決めたことですし、本選でも高いPublic票が期待できると思いますので、頑張ってもらいましょう。
エストニアは、セミファイナル1に出場します。
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Kyle Alessandro – Lighter | Norway
ノルウェーのMGP 2025(Melodi Grand Prix 2025)には、9組のアーテストが出場しました。昨年はセミファイナルとファイナルの形式でしたが、今年はセミファイナル無の一発勝負となり、Jury票が118点、Public票が189点、合計307点でカイル・アレサンドロ(Kyle Alessandro)が「Lighter」で優勝しました。
昨年、MGPのファイナルを取り上げましたが、非常にレベルが高く、見応えもあったのですが、今年のMGPのラインナップは人数も少なかったのもあり、若干弱かったように思います。
現在18歳のKyleは、MGP2023にボーイズグループUmami Tsunamiの一員として「Geronimo」で出場し、ファイナルまで進んだものの最下位に終わりました。しかし、今回はソロアーティストとして見事優勝し、代表の座を獲得しました。
幼少期から音楽に親しみ、南米や日本、ノルウェーの伝統音楽にも影響を受けている彼の楽曲「Lighter」は、がんを克服した母から着想を得たもので、「自分自身が光となる」というメッセージが込められています。
今回初めて「Lighter」のパフォーマンスを見て、昨年のキプロス代表のシリア・カプシス(Silia Kapsis)の「Liar」が思い浮かびました。正直、楽曲自体は普通のダンスポップサウンドでしたが、Siliaはエネルギッシュなパフォーマンスでファイナルまで進みました。Kyleの「Lighter」は悪くはありませんし、むしろキャッチーで個人的には好きなタイプの曲ですが、凄く良いかと言われると、ダンスポップの王道的な曲に感じられ、もう少しひねりが加わると面白くなるのかと思いました。バーゼルの舞台では彼の若さあふれるパフォーマンスに期待したいです。
ノルウェーはセミファイナル1に出場です。
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Katarsis – Tavo akys | Lithuania
リトアニアのEurovizija.LTには、40組のアーティストが出場し、12組がファイナルに進み、その内上位3組がPublic票のみのスーパーファイナルに進出し、カタリシス(Katarsis)が「Tavo akys」で優勝しました。
今年のEurovizija.LTは、出場者が多い割にはライナップは若干弱かったようにも思いますし、実際、ファイナル出場者のパフォーマンスは良かったものの、突出したアーティストはいなかったように思います。
Katarsisは、ボーカリスト兼ギタリストのLukas Radzevičius、ギタリストのAndrius Gruodis、ベーシストのEmilija Kandratavičiūtė、ドラマーのEivin Laukhammerから成る、リトアニアのダーク・オルタナティブおよびポスト・パンクバンドです。2020年に初の楽曲をリリースし、同年にリリースされた彼らの最大のヒット曲「Vasarą galvoj minoras」は、350万回以上の再生を記録しました。
「Tavo akys」は内面的な痛み、破壊的な状況、そして感情の解放を歌い、感情的でカタルシスを感じさせる曲です。全体的に若干フラットな印象を受けるので、パフォーマンス次第で票が別れてしまう可能性もあります。
リトアニアはセミファイナル2に出場します。
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PARG – SURVIVOR | Armenia
2022年以降は内部選考を行っていたアルメニアが5年ぶりに国内選考会のDepi Evratesil 2025を開催し、12組のアーティストが出場しました。国内Jury票が68点、国外Jury票が62点、Public票が84点、合計214点でパーグ(Parg)が優勝しました。
Depi Evratesil 2025には、コロナの影響でキャンセルになった2020年大会の代表に選ばれたアテナ・マヌーキアン(Athena Manoukian)が「DaQueenation」で出場していました。彼女のパフォーマンスは素晴らしいものでしたが、楽曲が残念だったような気がします。
PARG(本名:Pargev Vardanian)は、アルメニアのインディーフォーク、R&B、ポップ、ロックアーティストで、伝統的なアルメニアの要素と現代的なサウンドを融合させています。
2021年にデビューシングル「Ginin u Grely」をリリースし、最新シングルの「Araj」は Armenian Music Video Awardsにて、ベストミュージックビデオにノミネートされました。さらに昨年、2023年大会のアルメニア代表のブルネッテ(BRUNETTE)とのコラボ曲「AREV ES」をリリースしています。
「SURVIVOR」を初めて聴いたとき、Imagine Dragonsの「Believer」に似ていると感じましたが、そこまでのインパクトはありませんでした。彼の歌唱力は素晴らしいですが、全体的に曲のまとまりに欠ける印象があり、コーラス部分が多めに感じます。アルメニアから久々の男性アーティストが代表に選ばれたこともあり期待しているので、本選に向けてさらに完成度を高めて仕上げてもらいたいと思います。
アルメニアは、セミファイナル2に出場します。
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