橋口亮輔監督の名作『ハッシュ!』『ぐるりのこと。』4Kリマスター版、2026年7月24日(金)より全国順次公開

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橋口亮輔監督の名作2作品が4Kリマスター版で同時公開

橋口亮輔監督による名作『ハッシュ!』『ぐるりのこと。』が、2026年7月24日(金)より4Kリマスター版としてネマート新宿、シネスイッチ銀座、渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開されます。

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ハッシュ!

picture from ハッシュ!

2002年に公開された『ハッシュ!』は、田辺誠一さん演じる勝裕(かつひろ)と高橋和也さん演じる直也(なおや)のゲイカップルに、片岡礼子さん演じる朝子が「一緒に子どもを作ろう」と提案することから始まる物語です。『ハッシュ!』については、以前このサイトでも取り上げています。

今となってはLGBTQをテーマにした映画は数多くありますが、『ハッシュ!』が公開された2002年当時、日本映画でゲイのカップルが登場する作品はほとんどなく、大きな衝撃を受けました。また、それが性的なものでもなく、一組のカップルとして日常を送り、将来や家族について悩みながら生きる姿を自然に描いていたことにも驚かされました。

当時はインターネットは普及していましたが、スマホもSNSもありませんでした。自分がゲイであることはわかっていたものの、この先どのように生きていけばよいのか、深刻というほどではないにけれど、どこか漠然とした不安を抱えていました。

そんな時に出会ったのが『ハッシュ!』です。映画の中では、ゲイであることを特別視するのではなく、一人の人間として恋をし、付き合い、喧嘩をし、そして、子供を持つことまで考えながら生きていく姿がとても自然に描かれていました。その姿を見て初めて、「付き合うってこんな感じなのかな?」「難しく考えなくても、自分が進みたいと思う道をそのまま歩いていけばいいのかな?」と思えたことを今でも覚えています。そして、この映画に出会っていなければ、今の自分にはたどり着けなかったのではないかとも感じています。

これも以前書いたことですが、「おすすめのLGBTQ映画」といった特集では、『ハッシュ!』のような日本映画が紹介されていることはあまりありません。そうした特集を見るたびに疑問を感じてはいますが、『ハッシュ!』は本当に素晴らしい作品です。今回の4Kリマスター版は、スクリーンで観られる貴重な機会でもありますので、ぜひ劇場に足を運んでみてください。

また、橋口亮輔監督の初期作品である『二十才の微熱』や『渚のシンドバッド』も、日本のLGBTQ映画を語るうえで欠かせない名作です。興味を持たれた方は、ぜひこちらもご覧ください。

土木研究所で働く勝裕(田辺誠一)はゲイであることを他人に気づかれないよう注意しながら生きている。ペットショップで働く直也(高橋和也)は明るくゲイライフを満喫しているが、どこか虚しさを抱えている。歯科技工士の朝子(片岡礼子)は自己肯定感の低さから愛のないセックスを繰り返し、孤独感を募らせている。カップルとなった勝裕と直也のもとに、朝子が現れ、「付き合ってくれとか、結婚とかじゃなく、あなたの子どもがほしい」と勝裕に持ちかける――。

映画概要
タイトル:ハッシュ!|2001/日本
原作・脚本・編集・監督:橋口亮輔
出演:田辺誠一、高橋和也、片岡礼子、秋野暢子、冨士眞奈美、光石研、つぐみ
撮影:上野彰吾 照明:矢部一男 録音:髙橋義照 音楽:ボビー・マクファーリン

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ぐるりのこと。

2008年に公開された『ぐるりのこと。』は、木村多江さん演じる翔子とリリー・フランキーさん演じるカナオの夫婦が、喪失や葛藤を乗り越えながら歩む10年間を通して、人と人とのつながりや再生を描いた作品です。

昨今は、人と人とのつながりが希薄になっていると感じる人も少なくありません。一方で、SNSの普及などによって、人とのつながり方そのものは大きく変化しています。そうした変化は決して悪いことではありませんが、人との関わりが人生を支え、ときに救いとなることは今も変わりません。

本作では「めんどうくさいけど、いとおしい。いろいろあるけど、一緒にいたい。」といったキャッチコピーのように夫婦や家族、人と人とのつながりが丁寧に描かれています。

人との関係に正解やマニュアルはありません。相手の気持ちを考え、自分の思いを伝え、ときにはぶつかり合い、ときには相手を思いやるといったことの積み重ねは、正直なところ面倒に感じることもあります。かといって、人との関わりを避けたり、諦めてしまった先には何が残るのでしょうか。夫婦や家族であっても、もともとは他人同士です。100%分かり合うことはできないかもしれません。それでも、少しずつ相手を知ろうとし、自分を知ってもらおうと努力を重ねることで、人との絆は育まれていくものです。

『ぐるりのこと。』は、そんな当たり前だけれど忘れがちなことを、静かに、そして温かく教えてくれる作品です。人とのつながりのあり方が大きく変化している今だからこそ、あらためて見てほしい作品です。

生まれたばかりの子の死をきっかけにうつになる妻・翔子と、彼女にただ寄り添いつづける法廷画家の夫・カナオ。何があっても決して離れない一組の夫婦の、バブル崩壊後の90年代初頭から9.11テロに至るまでの10年を、90 年代に世間を震撼させたさまざまな社会的事件を背景に描く物語。

映画概要
タイトル:ぐるりのこと。|2008/日本
原作・脚本・編集・監督:橋口亮輔
出演:木村多江、リリー・フランキー、倍賞美津子、寺島進、安藤玉恵、八嶋智人、寺田農、柄本明
撮影:上野彰吾 照明:矢部一男 録音:小川武 音楽:Akeboshi

 

 

この記事を書いた人

国内外のLGBTQ関連情報を幅広く、時には深く掘り下げて発信しています。
ややエンタメ寄りの情報が多めですが、日本のゲイの方々のライフスタイルに少しでも役立てばと、このサイトを運営しています。

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