手を繋ぎたいけど “繋げない” と “繋ごうとしない”の違い
私の場合、これまでふざけて街中で手を繋ごうとしたりしたことはありますが、「手を繋ぎたい」と思ったことはあまりなく、「手を繋ごうとしない」だけなような気がします。
そもそも、常に手を繋いでいたいと思っているわけではないですし、手を繋げないことで日常生活に支障をきたすようなこともないので、それほど重要な問題ではないと考えています。実際、日本で手を繋いで街中を歩いていたとしても、人目を引いたり、笑われたりするかもしれませんが、暴行にまで発展する可能性は低いのではないでしょうか。どうしても手を繋ぎたいなら、周りを気にせずに手を繋げば良いですし、周りの人たちに「見ないでください」とは言えないですよね。
理想としては、性的指向や性自認に関わらず、好きな人と周りを気にせず手を繋げられたり、受け入れられていると感じられるような社会が望ましいとは思います。しかし、それを当事者がどこまで真剣に望んでいるかを把握する必要もありますし、当事者以外の方々に一方的に強制させるようなこともできません。そのためにも当事者に対してはまず自分が抱えているLGBT関連の問題を自分事として深堀して考えてもらうことも必要ですし、当事者以外の方に向けては啓蒙活動を行っていく必要もあるかと思います。
日本のLGBT関連の話を聞いていると海外の事例が紹介されたりしております。もちろんLGBT関連の先進国の事例は、日本にとっても参考にはなりますが、社会の成り立ちや歴史、置かれている現状が異なることを考えると、必ずしも他国でのアプローチがそのまま日本で利用できるとは限りません。
カミングアウトにしても、日本人がカミングアウトしたがらないのは、プライベートな部分を曝け出すリスクとその後の生活を考えた時、カミングアウトしないほうが生きやすいという場合もあります。これは、カミングアウトをすることで異性愛者と差異を主張することによる対立を避けているようなとこともあるのかと思います。多くの日本人は、「出る杭は打たれる」を避け、異性愛者とは共通点(出身地、職場、趣味等)を切り口に仲間意識をもって共存をしていきたいと考えているのかもしれません。こういった国民性も考慮したアプローチも必要なのかもしれません。
今回は、イギリスの5,000人のゲイの男性とLGBTの人々を対象にした調査についてご紹介します。イギリスの現状と日本の現状の違いについても少し考えてみて下さい。
ヘイトクライムを経験したゲイ、レズビアン、バイセクシャルの人たちの割合は、2013年の9%から2017年には16%まで増加
イギリスの半数以上のゲイの男性は街中でパートナーと手を繋ぐことに抵抗があることが調査で分かった。
この調査結果は、イギリスの5,000人のLGBTを対象としたStonewallの調査によって明らかになった。
この調査はイギリス最大のLGBTのチャリティーとして行われ、Come Out for LGBTキャンペーンを立ち上げ、進行中のヘイトクライムのまん延を見失わないように人々に呼びかけている。
その結果によると、1/3のLGBTの人々は公の場で手を繋ぐことに抵抗があると感じているとのこと。
驚くことに、ゲイの男性においては、その割合は58%にまで上がっている。
10人に3人は、安全ではないという理由で特定の通りを避けていると答えている。
21歳のウェールズ出身のFreyaは、Stonewallに、「私はレズビアンのパートナーと手を繋いでいたとき、男に襲われました。」と答えた。
「彼は私を背後から掴み、私を無理やり引き寄せ、言葉で攻撃してきました。」
全体的に調査では、イギリスのゲイ、レズビアン、バイセクシャルに対するヘイトクライムは、過去4年間で極めて多い78%も増加している。
ヘイトクライムを経験したゲイ、レズビアン、バイセクシャルの人たちの割合は、2013年の9%から2017年には16%まで増加している。
イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票後の3ヶ月間、ヘイトクライムの発生は、140%以上も増加している。
現在、LGBTに対するヘイトクライムの4/5は、警察への通報がないと調査は明らかにした。
Stonewallの最高責任者であるRuth Hunt氏は「過去25年間、私たちは大きな成長を成し遂げてきた一方で、すべてのLGBTの人たちが今のイギリスで、安全かつ、受け入れられ、自分らしくいられると感じられるまでにはまだまだやるべきことが沢山あるということははっきりしています。」と述べた。
「このレポートは、現状への満足に対する警告でもあり、平等を支持するみんなのための行動のきっかけでもあります。私たちは、今、誰ひとりとして性的指向や性自認が理由で憎悪や差別に直面しない日を迎えるために、共に取り組まなければなりません。」
「Stonewallでは、このレポートを読んで影響を受けたイギリス中のすべての人たちに、私たちのキャンペーンに参加し、目に見えるアライとして色々な所でLGBTの人のためにカミングアウトすること誓ってもらいたいと思っています。」
「私たちは、例外なしにLGBTの人々が受け入れられる世界を共に作ることができると思います。」
Equality and Human Rights Commission(平等人権委員会)の会長であるDavid Isaac氏は、彼の言う “ヘイトクライムのヒエラルキー” の終わりを見たいと繰り返し伝えている。
「すべてのヘイトクライムは忌まわしいものです。LGBTの人たちにも、他の皆と同じようにコミュニティーの中で安全に生活する権利があります。」と彼は述べた。
「そのため、私たちは政府にヘイトクライム関連法や量刑手続きのガイダンスの全面的な見直しの実施をしてもらいたいと思っています。」
過去12ヶ月において、合計で21%のLGBTが性的指向や性自認が理由でヘイトクライムや事件を経験している。
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