恋愛とは何だろうか?
『ラブ・オン・スペクトラム ~自閉症だけど恋したい!~』は、2019年にオーストラリアで放送されたリアリティ番組で、7月22日(水)からNETFLIXで配信がスタートしています。
番組の中で「ASD」という言葉が頻繁に出てきますが、「ASD」とは、「自閉スペクトラム症」のことで、「Autism Spectrum Disorder」の頭文字をとった略語です。
「自閉症スペクトラム症」について私自身もよくわかっていなかったので調べてみました。
自閉スペクトラム症とは
自閉スペクトラム症の診断については、DSM-5(アメリカ精神医学会(APA)の診断基準)に記述されており、下記などの条件が満たされたときに診断されます。
- 複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥があること
- 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること(情動的、反復的な身体の運動や会話、固執やこだわり、極めて限定され執着する興味、感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ など)
- 発達早期から1,2の症状が存在していること
- 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
- これらの障害が、知的能力障害(知的障害)や全般性発達遅延ではうまく説明されないこと
『ラブ・オン・スペクトラム ~自閉症だけど恋したい!~』では、ASDの素敵な独身男女7名(マイケル、クロエ、マディ、ケルビン、マーク、アンドリュー、オリビア)が恋愛の世界への第一歩を踏み出します。また、1年半前に婚約をしたルースとトーマス、3年前に出会い、結婚を考えているジミーとシャネイの2組のASD同士のカップルも取り上げています。恋愛にチャレンジする彼らはとてもピュアで、温かいハートを持っています。
この番組にLGBT要素があるとは知らずに見始めたのですが、クロエはバイセクシャルで、番組終了後のインタビューではオリビアもバイセクシャルで女性とのデートを考えていると言っています。エピソード1に登場するASDで聴覚障害があるクロエは、最初は男性とデートをします。しかし、そこにときめきを感じられず、次はロータスという女性とデートをします。ロータスとのデートでは、カフェで待ち合わせをして、一緒にひまわり畑に行きます。クロエはロータスのことを気に入り、2回目のデートの約束をしますが・・・。
彼らは恋愛に対してとても真剣に考えていて、恋愛に対する期待が高まる一方で、恋愛という未知の世界への不安も抱えています。その不安を和らげるために家族は彼らを全面的にサポートしており、その姿はとても素晴らしいものです。
ASDの方々の中には感情や非言語を読み取ることが難しいと感じる人も多く、恋愛に対して不安になり、臆病になってしまうとのことです。しかし、実際はASDではないからといって恋愛が必ずしも上手にできるというわけでもなく、この番組に登場する若者らを見ていると、きっと「同じ経験したことある」と共感するところが多々あるでしょう。また、我々が恋愛に関して分かったつもりでいる点に彼らは疑問を持ち、それらをストレートに言葉にしてくれることで、我々に改めて恋愛について考えるきっかけを与えれくれます。そして、彼らのチャレンジ精神を目にすれば、恋愛をしてみたいと思える勇気が湧いてくるでしょう。
とても素晴らしい作品ですので、是非、ご覧ください。
恋愛は誰にとっても難しいもの。特に、自閉症スペクトラムの若者にとっては、予測不能な展開が多いデートなど恋のすべてが複雑怪奇で、そのハードルは限りなく高い。
こちらは11名の出演者のその後についてのインタビュー動画になります。残念ながら日本語版はないのですが、字幕機能を使えば日本語字幕が表示されます。
番組概要
タイトル:ラブ・オン・スペクトラム ~自閉症だけど恋したい!~|Love on the Spectrum
放送:7月22日(水)NETFLIX配信スタート
出演:ブルック・サッチウェル(ナレーション)
コメント