友達と一緒にスポーツをしたいだけ。14歳のトランスジェンダーの少女の想い

スポーツ
picture from Human Rights Campaign
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スポーツ界における多様性と公平性

以前、このサイトでトランスジェンダーの男性のトライアスリートのクリス・モージャーChris Mosier)選手を紹介しました。

クリス選手のようにトランスジェンダーのスポーツ選手は実際に存在しているわけで、彼ら/彼女らのスポーツへの参加の機会が閉ざされてしまうようなことはあってならないことです。

しかし、現在、アメリカでは男性から女性へ性別を変えたトランスジェンダーの選手は他の女性選手に比べ身体的に有利だとしてスポーツ競技への出場が禁止される法律が複数の州で可決されています。トランスジェンダーの選手が出場する陸上競技でトランスジェンダーの選手に4度の優勝の機会を奪われたある女子選手は、彼女自身、トランスジェンダーに対するヘイトの感情があるわけではなく、スポーツにおける公平さにおいて問題があるとしてこの法律を支持していると述べています。

男女の間に対格差があることは明らかであり、国際オリンピック委員会(IOC)のガイドラインでは、男性ホルモン「テストステロン」の値を判断したうえでの参加の可否を決めるなどの基準を設けたうえでトランスジェンダーの選手の競技の出場が認められています。

多様性が求められている現代で、スポーツ界における多様性も確保されるべきですが、一方で公平性も保たれなければなりません。各競技にルールがあるように、同じ土俵で競い合う以上、選手らが納得のいくある一定の基準を設ける必要もあるのかもしれません。そして、もちろんトランスジェンダーの選手であるという理由だけで乱暴に除外されることはあってはなりません。

これまでの男女という枠組みの中にトランスジェンダーの選手を当てはめようとしたことで今回のような問題が発生してしまっているのも事実です。競技の中では男女ペアのスポーツや男女混合の団体スポーツもあります。男子選手の中で自身の実力を試してみたい女子選手もいるかもしれません。トランスジェンダーであるかどうかや男女関係ない新たなフリーな枠組みも積極的に取り入れていく時がきているのかもしれませんね。

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14歳のトランジェンダーの少女、レベッカ

本日、HRCHuman Rights Campaign)は、友達と一緒にスポーツをしたいだけという想いをもった14歳のトランスジェンダーの少女、レベッカを取り上げた3分間の動画を公開した。

この動画は、現在、アメリカ国内で審議されている多数の反トランスの法案、特にトランスの少女が学校スポーツすることに対し禁止を求める法案への関心を高めるために公開された。

3月12日時点において、今年だけで州レベルで82もの反トランス法案が導入されている。HRCによると、現在審議中の反LGBTQの法案は件数は合計200を超えており、それらのうち、100以上の法案が直接トランスジェンダーを対象としているものであるとのこと。特にレベッカのようにトランスの少女が他の少女らとスポーツすることに対して禁止を求める法案は、30州において50法案以上にも及んでいる。

実際のところ、レベッカのような子供を対象とした反トランス法案を推し進めているのは共和党員である。犯罪者でもなければ、性犯罪者でもなく、ましては大人でもない。同年代の友人らと楽しい時間を過ごし、スポーツをすることを望む子供たちである。「私はスポーツをするのが大好きです」とレベッカは動画の中で述べている。「私はトランスなだけではありません。かと言って、少女以下でもなければ、人間以下でもありません。私は私です!」

動画では、レベッカが友達とフィールド・ホッケーをしている場面やレベッカと母親が話をしている場面などが映し出されている。「私はこれまで4年間、フィールド・ホッケーをプレイしてきました」と彼女は微笑む。「ステックをもって、それでボールを打つの。とても面白い競技なの」

レベッカはトランスだからと言ってスポーツにおいて有利性があるというわけではなく、実際、レベッカの母親は彼女がスポーツが好きな理由の一つとして、スポーツには努力が必要であるからということを挙げている。「レベッカには得意なことがたくさんあります」とレベッカの母親は動画の中で述べている。「彼女は学校の勉強はほんのわずかな努力で高得点をとっています。音楽や演劇も得意です。彼女はそれほど努力しなくても済んでいます。でも、スポーツについては努力が必要です。彼女は一番上手ではないことや、もっと上達するために真剣に取り組んでいることから多くのことを学んでいます」

それ以上に、スポーツは彼女に友達を作るきっかけにもなっている。「いつもそばにいてくれる人々や私が築いたコミュニティーが大好きです」と彼女は述べた。「それは堅い絆で結ばれたグループのようなもなの」

動画では、レベッカが友達らと仲良く腕組みをしてハグをしている場面が映し出されている。「私たちが競技場の上に立つときは、チームメイトの彼女らは私と私としてみてくれます」とレベッカは述べている。「彼女らは私を一緒にプレーをするチームメイト、共に試合に勝ったチームメイト、共に負けてしまったチームメイト、そして一緒に競技に取り組む仲間として見てくれています」

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