この国は理想郷なのか?
2022年2月4日(金)から上映される映画『鈴木さん』。
この作品は、LGBTQ関連映画ではなく、社会に翻弄され追いつめられる中年男女を描くディストピアSF映画で、現人神である「カミサマ」を国家元首とする国を舞台に、少子化により未婚者徴兵制が敷かれた町の廃ラブホテルで介護施設を営むよしこが、ある日出会った謎の男との結婚をしようとするといったストーリーです。
ちなみに、ディストピアとは「理想郷」を意味する「ユートピア」の対義語で、ディストピアという映画のジャンルは、徹底的に管理・監視された社会を描いた作品のことです。「そんな社会はあり得ない」と思いつつ、世界は少しずつその方向に向かっているようにも感じます。
『鈴木さん』は、第25回ブチョン国際ファンタスティック映画祭や第11回北京国際映画祭などの海外の国際映画祭で映画賞を受賞し、2020年開催の第33回東京国際映画祭で観客賞の対象となる「東京プレミア2020」に選出された作品です。
主役の44歳の介護士で独身のよしこ役を演じたのは、お笑い芸人のいとうあさこさんです。佐々木監督がこの役にぴったりだと思い、いとうあさこさんにオファーしたそうです。あさこさんの相手役として“鈴木さん”を演じたのは劇作家で俳優の佃典彦さんです。この他にもすみこ役にベテラン女優の大方斐紗子さん、ホンダ役に宍戸開さん、のりこ役を本作がデビュー作となる保永奈緒さんが演じています。
もし我々ゲイがこの国に住むことになったら、自動的に徴兵されてしまうと思ったりもしました。
2月4日(金)よりK2、池袋シネマ・ロサ他にて上映されます。是非、ご覧ください。
現人神の“カミサマ”を国家元首とする島国のとある街。そこでは少子化対策のため、45歳以上の未婚者は市民権を失うという条例があった。市民権を喪失すると街を出るか、兵役に就くか、いずれかを選ばなければならない。一方、この街で介護施設を営む独身のよしこは45歳を迎えようとしており、市民権を失う不安を抱えていた。施設の入居者たちを見捨てることはできず悩む中、街に身元不明の中年男が迷い込んでくる。彼女は男を施設に住まわせ、結婚しようと画策する。
映画概要
タイトル:鈴木さん
公開:2022年2月4日(金)K2、池袋シネマ・ロサ他にてロードショー
監督・脚本:佐々木想
出演:いとうあさこ、佃典彦、大方斐紗子、保永奈緒、宍戸開、イワヲ、松永大輔、中島健、佐野弘樹、別府康子、五味多恵子、仲野元子、魁をとめ、清水直子
Website:https://suzukisan-movie.com/
Twitter:https://twitter.com/suzukisan_movie
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