東京オリンピック、アメリカ飛込代表のジョーダン・ウィンドル(Jordan Windle)選手を支えるゲイの父親

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1年越しの東京オリンピック・パラリンピック

新型コロナウイルス感染者数のリバウンドが心配される中、東京オリンピックの開催は1ヶ月を切りました。開催が近づくにつれて、日本も含め、各国で代表選手が選ばれ、オリンピックに向けて調整を行っています。

以前、アメリカでのトランスジェンダーの少女を学校スポーツに参加させることを禁止する動きについて紹介してきました。

ここ数ヶ月、ニュージーランド代表の女子重量上げ選手でトランスジェンダーの女性、ローレル・ハバード(Laurel Hubbard)選手の女子87キロ超級への出場について様々な議論が巻き起こっていますが、オリンピック・パラリンピックの代表選手の中にLGBTQ+の選手がいることは普通なことであり、彼ら/彼女らは一定のルールのもと競技において他の選手より実力があるから代表選手に選ばれたということをまずは理解しておく必要があるかと思います。その上で、LGBTQ+の選手も含めて多様な選手が公平な立場で競技により集中できるよう、スポーツ界/各競技の中での環境整備や教育などを進めていくことが重要になってくるのではないでしょうか。

今回紹介するのはアメリカの飛込の選手、ジョーダン・ウィンドルJordan Windle)をご紹介します。彼自身はゲイではありませんが、彼はゲイの父親、ジェリー・ウィンドル(Jerry Windle)と二人三脚で東京オリンピックの代表の座を獲得し、10m高飛び込みに出場することになりました。

飛込競技には、今年5月に東京で開催されたFINA飛込ワールドカップ2021で10m高飛び込みと10mシンクロナイズドダイビングの2種目で優勝したイギリス代表でオープンリーゲイのトム(トーマス)・デイリーTom Daley)がいます。また、これまでの飛込競技でのメダリストの中には2008年の北京オリンピックで10m高飛び込みで金メダルを獲得したオーストラリア代表のマシュー・ミッカムMatthew Mitcham)、同じくオーストラリア代表で2004年のアテネオリンピックで銀メダルを獲得したマシュー・ヘルムMathew Helm)がいます。

東京オリンピックには37年ぶりにニュージーランド代表の飛込競技の代表となり、3m飛板飛込に出場するオープンリーゲイのアントン・ダウン・ジェンキンスAnton Down-Jenkins)もいます。彼は昨年夏頃にコロナに感染してしまったようですが、今年5月に東京で開催されたFINA飛込ワールドカップ2021では3m飛板飛込で10位となりました。

ダウン・ジェンキンスのカミングアウトの背景には、やはり同じ飛込競技の中でオープンリーゲイのメダリストであるトム・デイリーやマシュー・ミッカムの存在があったからと語っています。

今月、日本では元なでしこジャパンの横山久美選手がトランスジェンダーであることを、アメリカではNFLのカール・ナシブCarl Nassib)選手がゲイであることをカミングアウトしました。プロスポーツ選手としての実力も知名度もある選手の勇気ある行動は、LGBTQ+も含めて多くの人々が勇気づけられたのではないでしょうか。

もちろんカミングアウトがすべてではありませんが、こういったことがきっかけとなり「当たり前」に対する疑問や変化が生まれ、スポーツ界全体にもポジティブな流れが生まれていくかもしれません。そうすることで、競技をする人側だけではなく、その競技を見る側にとっても競技の魅力度が高まっていくのではないでしょうか。

それでは、素敵なジェリー&ジョーダン・ウィンドル親子についての記事をご覧ください。

 
 
 
 
 
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オリンピック代表選手の息子を支えるゲイの父親

ジェリー・ウィンドルは、先日、東京オリンピックの男子飛込チーム(米)の代表に選ばれた22歳の飛込選手、ジョーダン・ウィンドルの誇り高き父親である。

悲しいことに、ジョーダンの実の親は彼がまだ赤ん坊の時に亡くなっている。その後、ジェリーはカンボジアにいたジョーダンを養子として迎え、栄養失調、疥癬、腸内寄生虫などで苦しんでいたジョーダンが回復するまで看病を続けた。

ジョーダンは後に7歳で飛込を始め、オリンピックでアメリカ代表となる長年の夢をかなえるとなる。

「ゲイの人はバランスが取れ、精神的にも健康な子供を育てることができない、子供を育てるべきではないと考えている人々がいますが、我々を見ればその思い込みは全くの間違いであり、誤った推論であるという決定的な証拠になります」とQueertyでのインタビューで述べた。

「ジョーダンは、すべての人間は平等で誰もが幸せなり、無条件に愛し、愛されるに値することを分かっていますし、また、信じている謙虚で、やさしくて、寛大な人間です。以上です」

「ほとんどの面において、ダイビングチームは我々家族の支えとなってくれています。実際、ジョーダンの友人らは彼には世界一素晴らしい父親がいると言っていると耳にしますし、私は”クールな父親”の一人かもしれません」と彼は付け加えた。

インタビューとは別の所で、ジェリーはジョーダンが現在に至るまでに犠牲にしてきてことに想いを馳せていた。

「彼は休むことなく15年間夢に向かって頑張ってきました。彼は目標達成のために、高校のダンスパーティー、プロム、フットボールの試合、ホームカミングなどにも参加しませんでした」

「私はスポーツにおいてはジョーダンをプッシュするようなことはしませんでした。これは彼の旅であり、彼にこの機会を与えることができたこと、そして彼を支えるためにそこに居合わせることができたことを誇りに思います」

「私は多くのアスリートと同じようにジョーダンには私からのプレッシャーを感じてほしくありませんでした。私はジョーダンのオリンピックの夢を追う旅に関わる彼の決断を常に支えてきました」

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