イスラエルの作品をもとに制作された『思うままの世界』
Amazomオリジナルの3人の自閉症の若者を描いた作品『思うままの世界(As We See It)』が1月21日(金)から配信スタートしました。
自閉症に関連した番組については、Netflixで配信されたオーストラリアのリアリティー番組『ラブ・オン・スペクトラム ~自閉症だけど恋したい!~』をこのサイトで紹介しました。
今回紹介する『思うままの世界』は、自閉症を持つ20代前半のルームメイトのジャック、ヴァイオレット、ハリソンの3人の成長を描いた作品で、シーズン1は、各エピソード30分前後の全8話となっております。シーズン1を見る限りではLGBTQ関連作品ではありませんが、とても面白い作品です。
脚本を務めたのは、エミー賞受賞歴のある脚本家のジェイソン・ケイティムズ(Jason Katims)です。ケイティムズ氏は自身が手掛けたドラマ『Parenthood(原題)』でもアスペルガー症候群の子供を取り上げるなどしてきましたが、実生活において自閉症の実の息子が20代になった頃に、息子の将来を考えるようになったとのことです。
ちょうどその頃、2018年にイスラエルで放送された3人の20代の自閉症の若者を描いたコメディーシリーズ『On the Spectrum』のことを知り、自閉症を持つ俳優を起用してアメリカ版を制作することを決意したとのことです。
『On the Spectrum』は日本では配信されていないようですが、作品の企画・脚本を手掛けたのはダナ・イディシス(Dana Idisis)で、昨年3月に日本で公開された映画で、実体験をもとに描かれた父親と自閉症の息子の物語「旅立つ息子へ」でも脚本を務めました。
才能あふれるニューロダイバーシティな出演者
『思うままの世界』にはニューロダイバーシティーな素晴らしい俳優が出演しています。
ジャック役のリック・グラスマン(Rick Glassman)、ヴァイオレット役のスー・アン・ピエン(Sue Ann Pien)、ハリソン役のアルバート・ルーテッキ(Albert Rutecki)の3人は実際に自閉症を持つ俳優です。ちなみにルーテッキは、これまで演技の経験はなく、この作品がデビュー作となりました。
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ジャック、ヴァイオレット、ハリソンを優しくサポートするマンディー役を俳優のケヴィン・ベーコンを父親に持つソーシー・ベーコン(Sosie Bacon)、ヴァイオレットの兄のヴァン役を「クレイジー・リッチ」にも出演しているクリス・パン(Chris Pang)、ジャックの父親のロウ役をジョー・マンテーニャ(Joe Mantegna)、父親が通う病院の看護師でジャックを上手に導くエワトミ役をデレ・オグンディラン(Délé Ogundiran)が演じています。
この他にも、Netflixで配信されている『ユニークライフ(Atypical)』にも出演している自閉症のある女優のタル・アンダーソン(Tal Anderson)やナオミ・ルービン(Naomi Rubin)も出演しています。
自閉症といってもその症状は人それぞれですが、当事者を作品に出演させることでそれらすべてを描こうとしようとしているわけではないと思います。当事者が演じるからこそ表現できることもあり、演じる役にリアルさ生まれ、見ている側はそれを現実のようなものであると感じることができます。実際、この作品を見てるととてもリアルに感じられるような場面も多くあり、それらがストーリーに深みと面白さを与えてくれます。
シーズン1が配信されたばかりですが、見終わった瞬間からシーズン2が待ち遠しくなるような素敵な作品です。是非、ご覧ください。
恋愛、友達作り、就職、大人になること。自閉症を持つ20代前半のルームメイト3人が、喜び、涙、笑いに満ちた日々を過ごしていく。
番組概要
タイトル:思うままの世界(As We See It)
配信:Amazonプライム 2022年1月21日(金)
脚本:Jason Katims
出演:Rick Glassman、Sue Ann Pien、Albert Rutecki、Sosie Bacon、Chris Pang、Joe Mantegna、Délé Ogundiran、Omar Maskati etc
Instagram:https://www.instagram.com/asweseeitpv/
Twitter:https://twitter.com/asweseeitpv
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